公財・川野小児医学奨学財団は、ドクターによる出前セミナー事業として、11月22日に埼玉県蕨市養護教諭会の研修会にて、「子どもの心に関する問題~子ども虐待をめぐって~」を実施した。
今回のセミナーは、小中学校に勤務する養護教諭からの「虐待やネグレクトなど不適切な養育を受けている児童生徒、またその保護者との適切なかかわり方について学びたい」との声を受け実施したもの。
医学博士で児童虐待やトラウマなど小児精神保健の第一人者・奥山眞紀子氏による「子どもの心に関する問題〜子ども虐待をめぐって〜」と題した講演が行われた。
当日は約50名の養護教諭が参加し、児童虐待の問題に対して学校が担う役割などについて理解を深めた。質疑応答の時間では質問が多数出るなど活発なセミナーとなった。
学校では、虐待・ネグレクト等の背景がある子どもに日常的に関わります。奥山先生の講演から、子どもや保護者に対して教育現場でできる私たちの役割について学びました。奥山先生の言う「子どもの命を守ることではなく子どもの権利を守ること」という視点を忘れずに、今後も子どもの声やサインに耳や目を向けていきたいと思います。
同財団の「ドクターによる出前セミナー」は、2019年度に財団設立30周年を記念し、内閣府の認定を受けてスタートした事業。学校や保育園などで、日々、児童生徒のケガや病気のケアを行う養護教諭や看護師が開催する研修会に、同財団が仲介役となり、小児科医を中心とした専門家を講師として派遣している。講師料は同財団で負担するため、参加者は無償で受講できる。2022年度は12件開催している。
これまでに開催したテーマは、「保育園ではじめる性教育」(2021年10月実施)「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」(2022年2月実施)、「保健室での救急処置~骨折その他・学校での対応~」(2022年7月実施)など。