麗澤中学・高等学校(千葉県柏市)はこのほど、同校でのICT教育に関する事例紹介を公開した。同校では、生徒が主体的に学ぶことができるICT環境づくりに日々取り組んでおり、今年9月には、全教室に電子黒板と最新のオンライン授業用機器を常設し、ハイフレックス型授業が可能な環境を実現した。加えて、全生徒が同時に海外の講師とビデオ英会話ができる強固なネットワークが校内全域に整備されている。
同校で、実践しているICT教育の主役は、教員ではなく「生徒」だという。その象徴的な取り組みが、有志の生徒で構成される「チームICT」の活躍だ。
「チームICT」は、生徒が自主的にICTの活用方法について研究し、体育祭や文化祭などのイベントでのライブ配信やダイジェスト動画の制作、外部コンテストや大会に向けた創作活動やeスポーツなど様々な取り組みを実施している。
これらはすべて、生徒自身の「やってみたい」という気持ちから実現し、やりたいことができる感動を実感しながら日々成長しているという。ICTの主体的な活用を通して、自ら学ぶ力、協業する力が自然と身につき、その経験から、将来の進路を決めた生徒も多い。
「ICT教育はデジタルに重きを置くのが一般的ですが、デジタルネイティブな生徒たちにとっては「アナログの良さ」を知ることもICT教育を行う上では重要です。例えば、相手に感謝の気持ちを伝えるとき、手紙とメール、どちらがより良いのかを考えた際、その時に応じてアナログツールを使うべきか、デジタルツールを使うべきか変わります。アナログかデジタルか、どちらがより良いのか瞬時に判断できる力こそが、これからのSociety5.0の社会で求められている能力のひとつと考えています」