キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は12月12日、小中高向けICT事業への本格参入に向けて、チエルとの長期的な提携関係の構築・推進をめざし、資本業務提携契約を締結した。
キヤノンITSはこれまで、文教分野においては、教育支援情報プラットフォーム「in Campus」を核とした大学向け中心のビジネスを展開してきた。一方のチエルは小中学校向けの「InterCLASS」シリーズ を中心とした学習支援システムで一定のシェアを確保している。
小中高の教育現場においては、「GIGAスクール構想」によるネットワーク整備が進み、1人1台学習用端末も配備された。今後は本端末を利活用した教員・生徒・保護者間のコミュニケーションを円滑に進めるためのICTサービスを始めとした、教員の働き方改革支援、ひいては教育DXのニーズが高まってくることが想定される。
このような市場環境のもと、両社での最初の取り組みとして、文教ICT市場におけるキヤノンITSのシステム開発力とチエルの小中高の学校現場の知見・ノウハウを活用し、小中高向けに新たな学校情報システムの開発を進めるという。他には、両社の顧客基盤を活用した取引の拡大や共同プロモーションの実施などで連携する。
キヤノンITSは、今回の資本業務提携により、これまで主力としてきた大学中心向けのビジネスから、小中高まで網羅したサポート体制を構築し、将来的には小学校から大学、さらには社会人までの学びのデータを総合的に利活用したサービス提供を目指すとしている。