笠岡市・矢掛町中学校組合教育委員会(岡山県)とジョイズは、英語学習クラウド「TerraTalk」を活用した個別最適化学習の取組について発表した。
笠岡市・矢掛町中学校組合立小北中学校は「即興で話せる英会話力の取得」「個別最適化学習」を実現すべく、2020年7月に「英語力向上ICT活用事業」の一環としてTerraTalkを導入した。
2021年、2022年には、韓国学生との交流会を行い、自己紹介や学校、地域についてお互いが英語で発表した。自己紹介については、事前にTerraTalkを活用して練習。さらに、練習の成果を確認するため、ALTとスモールトークにも取り組み、交流会に臨んだ。
さらに、生徒たちは、教員の指示のもと、授業で習った英文法を用いた会話練習をTerraTalkで実施。活動を通して、「使える英語」の定着を図っている。また、今年度の夏休みにはGIGA端末を家庭に持ち帰り、TerraTalkで配信されたスピーキングの宿題をこなすなど、授業外であっても英語に触れ、話す機会が増えた。
以上の取り組みの結果、ALTのみの施策に比べて、1.5〜2倍のスピーキング活動を生み出すことに成功した。ALT施策との質的な違いは、積極的に話せない生徒にもスピーキングの機会を提供することができるようになったこと。また、単純な発話機会の提供に留まらず、TerraTalkを練習台にすることで、ALTと実際に英語で会話する場面において、完全な文を作れなくてもコミュニケーションにトライする、意欲面の向上もみられる。
「個別最適化学習」の点では、生徒自身のペースで繰り返しTerraTalkの教材に取り組み、月20分程度の個別な学びを実現できるようになっているという。
同教委と同社は今後、英語教育×ICTの良さを十分に活かしつつ、紙の教材では実現できない学びを生み出すTerraTalkの活用を推進し、生徒の学習データを基にさらなる活用場面の模索や、各生徒がフィードバックを得つつ、繰り返し学習を行える個別な学びを実現するため、支援をしていく。
TerraTalkは、独自開発の発音・発話解析エンジンを軸に、対話形式、音読形式のエクササイズを提供することで、学校現場で不足しがちな発話量を補うと同時に、発音矯正を行えることが特徴。またLMS(Learning Management System)を活用して、生徒の英語力を定量的に可視化。個別最適化された学習の実現に向けて、指導の優先順位付けや生徒ごとの教材難易度を調整できる。