世界11か国の大学生が「平和」をテーマに議論を交わす模擬国連世界大会が11月20日から26日まで神戸などで開催される。今回、ホスト校を務める神戸市外国語大学が大会の開催概要について10月28日に発表した。コロナ禍後、初の米国外で開催される大会とあって注目される大会となっている。
■各国の学生が国際問題について議論を交わす
模擬国連世界大会では実際の国際連合での会議と同様に、学生が一国の大使役となり国連を模した会議に参加し、国際問題に関して議論や交渉を行っていく。国際政治を主体的に体感し、世界に存在する様々な問題や、その解決について多角的な視点を養うことを目的としており、国際連合が全面的な支援を行う唯一の大会となる。
■日本では6年ぶりとなる世界大会を開催
模擬国連世界大会は世界各地で行われている模擬国連活動の中で最大規模の大会となる。毎年、春にはニューヨークで、秋には世界各国の大学をホスト校として大会を開催。日本では神戸市外国語大学がホスト校となり2016年11月に初めての世界大会を開催。今回、再び神戸市外国語大学がホスト校となり6年ぶりに2回目の世界大会が日本で行われる。
■11か国の学生が神戸に集う
今回の神戸大会のテーマは「21世紀に向けた社会正義を基盤とした平和の推進」。世界11か国から42大学・団体、332人の学生が参加。日本からは9大学・団体が参加する(10月18日時点)。
■4つの議場に分かれてテーマに沿って議論
参加する学生は「国連経済社会理事会」「国連総会」「核兵器の不拡散に関する条約(NPT)再検討会議」「安全保障理事会」の4つの議場に分かれて議論を行っていく。各議場では事前に2つのテーマを設定。会議初日にどちらのテーマが緊急性が高いかを話し合った後、残りの3日間で1つに決めたテーマに沿って議論を進める。
■担当国の意見を反映させるため交渉を進める
議題のテーマは学生たちが「平和」に焦点を当てて、国際課題や社会情勢を踏まえて決定。参加する学生は原則として自らの出身国とは異なる国の外交団を担当し、設定されたテーマについて、その国を代表して交渉を行う。担当する国の意見や利害を最終決議に反映させることが目的となる。
<スケジュール>
■大会成功に向けてクラウドファンディングを実施
学生運営委員会の活動経費を集めるためクラウドファンディングを実施中。タイトルは「『平和』を考える。『模擬国連世界大会』神戸大会の成功へ!」。目標額は300万円で、募集期日は2022年11月28日(月)23時までとなる。
【神戸市外国語大学 田中悟学長コメント】
神戸市外国語大学は設置者である神戸市よりグローバル人材の育成というミッションを与えられ、「行動する国際人」というキャッチフレーズのもと、世界で活躍する人材を社会に送り出すための教育研究活動を行っている。こうした理念を実現するためには、学生たちが外国語を学ぶと同時に様々な経験を通して、自ら考え、行動することが重要。模擬国連世界大会は英語で議論を交わし、自国以外の国の代表として国際問題について意見を述べるなど様々な工夫を随所に取り入れた国際活動となる。コロナ過において若い人の国際交流が停滞しているが、この大会を開催することで、様々な国の学生が神戸に集い、国際活動が再活性化することを期待している。
【事務総長補佐 ヒキタ・キーシャ・ロレーヌ・サントーヨさん(国際関係学科4年生)】
世界情勢が不安定な時代だからこそテーマに「平和」を設定した。戦争がもたらす脅威を心にとめながらも、戦争や紛争だけでなく人種差別の無い平和を築くために欠かせない様々な要素に触れ、参加者には平和について考えてもらいたい。絶対的な答えのないことに対して、世界各地から様々なバックグラウンドを持つ学生が集まり、会議を通して自分なりの考えを見出してもらえるような意義のある大会となることを願っている。