学事出版は、宮田美恵子著『学校安全のリデザイン 災害、事件、事故から子どもたちを守るために』を刊行した。
安全教育の第一人者である著者が、附属池田小事件以降の「学校安全」について振り返りながら、大きく変化している時代に合わせた新たな学校安全の考え方、対応策、安全教育などについてまとめた。「新たな」学校安全の基本書として、学校安全に関わる全ての人必携の一冊。
はじめに――附属池田小事件から20年の学校安全
序章 学校安全の歴史
2019年度に教職課程のうち、「学校安全」に関する内容が必須となった。学校安全の歴史を俯瞰する。
第1章 学校の安全管理を問い直す
2019年に発生したスクールバスを待つ児童らが、刃物を持った男に襲われた「防ぎようがない事件」を題材に学校安全管理の見直しとともに警察OBの活用を提案する。
第2章 学校安全の3領域 生活安全編
子どもが自分を犯罪者から守るために必要な「危険を知らせる力」「危険から離れ助けを求める力」をかくれんぼや鬼ごっこといった、あそびから体得することができる。あそびを通した地域ぐるみの学校安全に加え、防犯ブザー、ヘルプミーハンドサインの普及や活用に言及する。
第3章 学校安全の3領域 交通安全編
防ぎようのない交通事故も、リスクの最小化は可能との視点にたち、交通安全指導のポイントを考察する。
第4章 学校安全の3領域 災害安全編
2011年の東日本大震災まで、一部の地域を除き学校での防災教育は進まなかった。災害を「特別なこと」とせず、災害時のコミュニケーションのために「やさしい日本語」を使うなど、日常の安全教育を考える。
おわりに・参考文献・さくいん