高畠町教育委員会(山形県)と、英語学習アプリケーションの開発・運営を行うジョイズは、個別最適化された英語教育の実現に向けて、町内の全公立小中学校(小学校6校、中学校1校)に、英語学習クラウド「TerraTalk」を導入した。
山形県南東に位置する高畠町では、持続可能な地域社会を構築し、質の高い行政サービスを持続させるためには、デジタル技術の活用が欠かせないと考え、今年度にデジタル推進室を設置するなど、町をあげてデジタル化に取り組んでいる。
同町ではこれまで、外国語(英語)教育においては、小中学校に外国語指導員を複数名配置するなどして授業改善を進めきたが、2019-2020年度に行った4技能英語検定で「話す力」に課題があることがわかった。こうした課題を解決する方策として、1人1台端末を有効活用し、個々の児童・生徒の弱点の把握と、きめ細やかな指導の実現に向けて、町内の全小中学校に「TerraTalk」を導入した。
先行して活用が進む高畠中学校では、単元の後半で行う適応課題(練習問題)を「TerraTalk」で行っている。これまで教員が行っていたスピーキングチェックでは、自動採点機能を活用することで、生徒はその場で自分の発音について確認し、反復練習をすることが出来るようになった。また、生徒の取り組みの状況は教員の端末で確認できるため、教員の業務効率化を図りながら、4技能を統合的に育むことが出来ているという。さらに、「ライブ授業」の機能を活用することで、生徒が操作に迷うことなく学習を始めることができ、一斉授業におけるICTの円滑な導入を実現している。
同町と同社は今後、子供たちが主体的に英語学習に取り組めるように一層の活用を推進とともに、生徒の学習意欲の向上を図りながら、英語のコミュニケーション能力の向上と基礎学力の定着を一体的に図れるよう実践していく。さらに、個々の教員が、学習データの分析活用を行うための支援を実施する。
TerraTalkは、独自開発の発音・発話解析エンジンを軸に、対話形式、音読形式のエクササイズを提供することで、学校現場で不足しがちな発話量を補うと同時に、発音矯正を行えることが特徴。またLMS(Learning Management System)を活用して、生徒の英語力を定量的に可視化。個別最適化された学習の実現に向けて、指導の優先順位付けや生徒ごとの教材難易度を調整できる。