長崎市立小学校では、電子書籍を活用した読書支援活動を行うことを目的に、長崎市とポプラ社および日本総合研究所との間で「長崎市・株式会社ポプラ社・株式会社日本総合研究所との読書活動支援のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に関する協定書」を9月13日(火)に締結した。
■テーマは「読書活動支援のDX」
長崎市、ポプラ社、日本総合研究所の三者は「読書活動支援のDX」をテーマに掲げる協定の下、知見やノウハウを連携させることで、長崎市の子供たちの読書環境を一層豊かなものにすることに取り組んでいく。
■4つの小学校で「Yomokka!」と「Sagasokka!」を試行導入
2020年度は同協定に基づく取組の一つとして、長崎市内の4つの市立小学校でポプラ社の電子書籍読み放題サービス「Yomokka!(よもっか!)」および調べ学習応援サービス「Sagasokka!(さがそっか!)」を試行的に導入する。
■小規模校の読書環境を改善
「Yomokka!(よもっか!)」と「Sagasokka!(さがそっか!)」を試行的に導入する4校は、いずれも小規模校。学校図書室の規模が小さいため総蔵書数が少ない、周辺地域に大規模書店がない、市立図書館との距離が遠いなど、市中心部と比較すると読書環境として児童と本との接点が少ない状況にある。
■タブレットで手軽に本と親しむ
長崎市ではGIGAスクール構想に積極的に取り組んでおり、2022年から児童はタブレットを自宅に持ち帰るようになり、電子書籍の導入により、どこにいても手軽に本と親しむことができる環境の構築が期待される。
【試行導入のねらい】
電子書籍読み放題サービス「Yomokka!」では、ポプラ社をはじめとする多くの出版社が提供する約2,500冊の電子書籍を自由に閲覧可能。一般的な電子図書館サービスとは異なり、同一書籍を複数児童が同時に閲覧できるため、人気書籍の貸出待ちという状況が生じない。また、「朝日小学生新聞」の一部の記事も掲載されており、時事問題に興味を持つきっかけにもなる。
また、調べ学習応援サービス「Sagasokka!」では、デジタル化された「総合百科事典ポプラディア」のコンテンツを持ち出し、自由にいつでも使うことができる。キーワードによる検索や項目に予め紐づけた外部サイトの活用ができるほか、お気に入りの項目を集めたコレクションの作成や調べたことをまとめた情報カードの作成も可能となっており、情報活用学習の基礎を身に付けるための入口として機能する。
デジタル技術を活用した上記のサービスを試行導入することにより、児童は自宅や学校で気軽に読書ができ、端末の中に自分だけの本棚を持つことができるようになる。また、授業においても、例えば朝読書や調べ学習などで活用することで、小規模校においても読書環境を充実させることができる。
今回のデジタルサービスの試行導入については、教職員や児童、保護者へのアンケート調査を通じて、児童の読書量や読書意欲への影響、授業における電子書籍等の活用方法について検証する予定。