文部科学省では高等専門学校と連携・協力して教育DXを進めることを推奨している。小山工業高等専門学校でこのほど、電気電子創造工学科の干川尚人准教授、物質工学科の高屋朋彰准教授とMOOBONの研究グループが、教育機関向けに学生(生徒)の出席状況の自動登録と情報共有を行うデジタルトランスフォーメーション(DX)を達成するアプリケーションサービス「OKPASS」(オーケーパス)を開発した。
このサービスを利用する学生(生徒)は教室に設置された受付端末に二次元バーコードを読み込ませることで出席を報告できるほか、クラウドサービスサイトのユーザーメニュー(マイページ)から欠席や遅刻などのメッセージを学校へ連絡することができる。
また、これらの情報はリアルタイムにDX出席簿に反映され、学校の教職員間で共有できる。本サービスによって教育機関における毎日の出欠席記録業務を完全自動化し、教職員の業務を大幅に削減できるともに、学生(生徒)の登校中の事故や事件などの早期発見や、日々蓄積したデータの分析によって学生(生徒)への出席指導やメンタルヘルスケアの活用が期待できる。
本システムの開発は教育現場を熟知した高専教員とクラウドサービス開発を得意とする企業によって実用性を徹底追求しており、高専に限らずさまざまな学校教育機関での活用が可能だ。現在、小山高専にて200名規模の実証実験を実施しており、学生や保護者観点の利便性や教育現場における運用性などを検証し、2022年度内にサービス商用化を目指すという。