ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所が運営を支援するチャイルド・リサーチ・ネットは8月30日、日本を含むアジア8カ国・地域で実施した「子どもの生活に関するアジア8カ国調査2021」の調査結果を発表した。
調査は、8カ国・地域(日本・中国・フィリピン・マレーシア・台湾・インドネシア・シンガポール・タイ)の都市部および近郊に住む5歳児の子供の母親1,973名を対象に、2021年8月~11月にかけてオンライン/質問紙にて実施した。
今回の調査では、アジア8カ国・地域の共同研究者とともに、子供のウェルビーイング(心身の良好な状態、幸福)の状況と、その実現に必要と考えられる「レジリエンス(困難な状況に適応して回復する力)」に着目した。その結果、8カ国・地域共通で、子供のウェルビーイングにレジリエンスが関連していることがわかった。レジリエンスが高いほど、子供のウェルビーイング得点が高くなっている。
日本では、①母親の応答的な養育態度、②母親の子育て肯定感、③園(保育者)のサポート、④デジタルメディア使用時の母親のサポート、⑤遊べる友達の数が、子供のレジリエンスに関連しており、①~⑤の各項目を高群・中群・低群に分けて群ごとに子供のレジリエンス得点を比較すると、高群の方がレジリエンス得点が高いという結果が得られた。
また、日本以外でも多くの国で、①母親の応答的な養育態度、②母親の子育て肯定感、③園(保育者)のサポート、④デジタルメディア使用時の母親のサポートは、子供のレジリエンスに関連していることがわかった。中でも、①母親の応答的な養育態度と③園(保育者)のサポートは日本を含む5カ国、②母親の子育て肯定感と④デジタルメディア使用時の母親のサポートは日本を含む4カ国で、子供のレジリエンスに関連していた。