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児童虐待のリスクを予測・見逃しを減らすアプリ「MAMORUKO」今冬リリース予定

2022年9月3日

IT開発などを行う要は、筑波大学の医師・森田展彰准教授と共同で児童虐待対応アプリ「MAMORUKO(まもるこ)」の開発を行っている。年々、増加する児童虐待を防止し、子供たちを守るため、相談内容を分析して児童相談所などで、児童の虐待リスク判断に役立ててもらうためのアプリだ。そして、今月から全国の児童相談所でも活用できるよう、新たに児童虐待アプリ「MAMORUKO」の開発を開始した。2022年冬のリリースを目指している。

 

■児童虐待相談対応件数は過去最多に

厚生労働省が昨年8月に発表した、2020年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数は20万5029件で、前年度より1万1249件(5.8%)増え、過去最多を更新した。こうした状況の中で懸念されるのが、相談数が多いことによる情報処理の遅れや、虐待の見逃し、児童相談所職員の仕事量の増加。情報を蓄積して分析することでリスクを評価し、必要な情報や支援を提供する仕組みの整備が必要になってきている。

同社では、約7年前から国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(JST RISTEX)で採択された研究開発プロジェクトに携わり、虐待児童の防止の支援に繋がるアプリの開発を進めてきた。児童虐待問題は地域ごとに傾向が異なる内容もあり、これまで開発してきたアプリを応用し、全国で活用できる都道府県導入バージョンの新たな開発をスタート。2022年冬のリリースを目指す。

 

▲システム画面

 

■業務の効率化と見逃し防止を両立できるアプリを

RISTEXの研究プロジェクトでは、支援者のサポートを目的とした情報提供用パッケージと、これらを用いた虐待リスクの評価・対応を行う支援方法をまとめたもので、android端末向けタブレット版アプリとして開発。これをベースにPCで利用できるWEBアプリの開発に着手した。

多くの児童相談所では相談の記録などは紙媒体で残している場合が多く、データの蓄積や分析が十分に行えていないという課題がある。そこで、データを入力し分析したうえで、傾向を掴み見逃しを防げるようにする仕組みづくりを行った。今まで担当職員の“経験”に基づき、属人的にリスク判定を行っていたものを、アプリ上でデータとして管理することにより、経験の浅い職員のリスク判定にも役立つ。「MAMORUKO」の活用により、業務に必要な情報が迅速に検索・共有できるようになる。

 

筑波大学医学医療系 森田展彰 准教授

今の日本における子育ては、親類や地域とのつながりが減り、貧困、教育・就労の問題、DV・離婚、障害といったリスクを抱えると、一気に深刻な危機に陥りがちです。そうした親子は困難を訴えること自体が容易でなく、専門家や多くの機関によって多様なニーズにていねいに応えてもらえることを当事者の親子に示す必要があります。
今後も、個々のニーズに合った的確な支援を届ける仕組みを作っていきます。それによって、いざという時に助けてもらえる安心感を当事者に持ってもらい、子育てを行える社会を目指します。

 

【 一人でも多くの子供たちを救いたい 】
近年、児童虐待に対して社会的関心は高まっているものの、残念ながら児童虐待の事件や事故が後を絶ちません。一件でも被害を減らせるように、また多くの対応に追われる職員のみなさんの負担が軽減しながらも”見逃し”が起こらないようなアプリの開発を目指しています。株式会社要では、子供たちの未来が奪われることのないよう、ITやDX化の側面から開発に協力し、社会貢献していきます。

 

株式会社 要

全国調査データベースを用いた児童虐待の予防・早期介入システムの開発

 

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