人工的にサンゴ礁の生態系を陸上に再現する「環境移送技術」の研究開発を行うイノカは中高生を対象とする「ネイチャーアントレプレナー育成プログラム」の提供を開始。プログラム提携校の第1弾として7月22日(金)に渋谷教育学園渋谷中学高等学校で出張授業が行われた。
■地球環境問題の解決をベースとしたイノベーション創出を志す起業家人材
「ネイチャーアントレプレナー」とは自然に目を向けて多くを学ぶことにより、地球環境問題の解決や自然科学をベースとしたイノベーション創出を志す起業家人材のことを意味するイノカ独自の概念となる。
■出張授業ではサンゴ礁を通じた地球貢献の構想を語った
同プログラム提供の第1弾として、渋谷教育学園渋谷中学高等学校で、イノカ代表取締役CEOの高倉葉太氏が7月22日に出張講演を行った。海洋環境課題を解決するスタートアップであるイノカを創業した理由や想い、環境移送技術やサンゴを通じた地球貢献の構想をテーマに、アントレプレナーシップについて語った。
■海洋生物多様性の保全や「海の見える化」に取り組む
イノカは日本で有数のサンゴ飼育技術を持つアクアリストと、東京大学でAI研究を行っていたエンジニアが2019年に創業したベンチャー企業。ネイチャーアントレプレナーシップを体現するスタートアップ企業として、地球環境における重大な課題である海洋生物多様性の保全や、海洋が潜在的に持つ価値を最大化する「海の見える化」に取り組んでいる。
■水温の上昇でサンゴが死滅するおそれが
日本は世界有数のサンゴ礁生態系を有していることから、日本固有の海洋遺伝資源は、潜在的な価値も含めて重要な資源とみなされている。しかし、20年後には気候変動に伴う海水温の上昇によりサンゴの70~90%が死滅する可能性があると予測されており、サンゴ礁生態系が有する豊かな遺伝資源も失われる恐れがある。
■グローバルな海の課題の解決に向けて
イノカはサンゴ礁生態系に代表されるグローバルな海の課題を解決すべく、独自の環境移送技術を通じて海洋における新しい知見の抽出を推進するとともに、世論形成とルールメイキングを戦略の柱として位置付け、行政・民間企業・研究機関との戦略的パートナーシップを強化していく。
<「ネイチャーアントレプレナー育成プログラム」について>
イノカでは「ネイチャーアントレプレナーの育成」をテーマに、中高生向けにアントレプレナーシップ教育プログラムの提携校を募集する。
【対象】
先進的な起業家育成を目指す、全国の中学校・高等学校(公立・私立問わず)
【提供可能なプログラムの例】
座学:オンライン / 出張での講演(起業についてなど。テーマ応相談)
研究支援:環境移送技術を活用した共同研究案の募集および研究支援
事業開発:イノカのリソースを活用した事業開発についてのメンタリング
就業体験:スタートアップ現場を知るためのインターン現場の提供
※講座設計については柔軟に対応可能なので、 info@innoqua.jp 宛に問い合わせる。
【講師陣】
イノカ 代表取締役CEO 高倉葉太氏
1994年生まれ。兵庫出身。甲陽学院中学校・高等学校卒業。
東京大学工学部を卒業、同大学院暦本純一研究室で機械学習を用いた楽器の練習支援の研究を行う。2019年4月に株式会社イノカを設立。2021年10月より一般財団法人 ロートこどもみらい財団 理事に就任。同年、Forbes JAPAN「30 UNDER 30」に選出。
イノカ 取締役COO 竹内四季氏
1994年生まれ。鹿児島出身。ラ・サール中高、東京大学経済学部経営学科卒業。
学部時代は社会保障ゼミにてソーシャルビジネスに関する事例研究を行う。メガベンチャーを経て、2020年2月にイノカにジョインし、ビジネスサイド全般を管掌。「環境保全×経済合理性」を軸とする事業開発・経営戦略の立案を得意とし、上場企業に対するコンサルティング、ウェビナー等の講演実績多数。