教員の80%が「CBT」を実施したいと考えていることが、スプリックス基礎学力研究所が授業準備情報サイト「フォレスタネット」の会員である教員425人を対象に実施した意識調査から明らかになった。また、CBTの認知度は50%を超え、特に残業時間が多い教員の認知度が高くなっている。
■1人1台端末の活用に向けて高まるCBTへの期待
「『CBT』を実施したい」と答えた教員の割合は 80.2%となり、前回の2021年12月の調査実施時から14.2ポイント増加。今後どのように1人1台端末を活用していくかといったソフト面の課題解決へフェーズが移行しつつある中、1人1台端末活用を拡大させる柱として『CBT』への期待感が高まっていることが明らかになった。
■残業時間が多い層は働き方改革からCBTに期待
『CBT』の認知率は51.8%と、前回の調査実施時より16.8ポイント増加。残業時間別の割合をみると、残業時間の少ない層と多い層の両端で『CBT』の認知率が高い傾向にある。残業時間が多い層は自身の働き方改革にも関心があると推測され、その一つの解決策として『CBT』に対する認知度も高くなっていることが予想される。
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■8割以上の教員が日常的に端末を活用
授業内での1人1台端末の使用頻度について調査したところ、53.2%の教員が「毎日使用している」と回答したほか、「週2~3日使用している」と回答した人を合わせると、80%以上の教員が日常的に端末を活用できている。一方、「週1日以下」と回答した教員は19.3%にとどまり、前回調査時の約 30%と比べると端末活用の格差が是正されてきたといえる。
■データ活用で児童生徒の成績把握が容易に
また、教員の約2人に1人がデータ活用により児童生徒の成績把握が容易になったと回答したほか、3人に1人以上が校務軽減につながっていると感じていることが分かった。さらに、ビデオ通話など端末を利用することで、地域に縛られないオンラインでの交流が可能となり、学びの幅が広がる点にメリットを感じている教員も多いことがわかった。
■CBTのメリットは採点業務の削減
『CBT』を導入している教員にそのメリットについて質問したところ「採点業務の削減が実現すること」と回答した人が69.5%。同様に「データ蓄積による児童生徒の成績推移把握が容易となること」と回答した教員も 69.5%となり、CBT ならではのデータ活用についてもメリットに感じている教員が多いことがわかった。一方、『CBT』の課題としては「ネットワーク環境に左右されること」が 56.4%と最も多く、「問題作成の自由度が低いこと」や「授業内容と問題に差異が発生する可能性があること」も挙げられた。
■6割の教員がCBTを知っているが活用できていない状況に
『CBT』を認知している教員を対象に『活用方法』を質問したところ、61.8%が『知っているが活用できていない』と回答。CBTについて認知度やニーズは高まっているものの、導入状況については依然課題があることが伺える。
【調査概要】
調査対象:教員 425 名(有効回答数)
調査手法:インターネット調査
調査内容:学校現場における CBT ならびに GIGA スクール構想に関する調査
実施期間:2022年6月14日~7月13日