金沢工業大学が2018年に開発・製品化した「THE SDGsアクションカードゲームX(クロス)」のスペイン語版・スペイン語圏版を、神田外語大学 イベロアメリカ言語学科 スペイン語専攻の青砥清一教授ゼミと金沢工業大学 経営情報学科 平本督太郎研究室の大学院生が連携し、共同制作した。
■「リソースカード」で「トレードオフカード」が提示する問題を解決
SDGsアクションカードゲームX(以降、クロス)は、金沢工業大学の学生プロジェクトが主体となって2018年に開発。解決策を提案する「リソースカード」を使い、「トレードオフカード」が提示する問題を解決していくもので、教育機関や企業、自治体等の教育や研修の場面で活用されている。
■青砥ゼミが社会問題やリソースを取り入れてスペイン語圏版カードを制作
両大学の専門分野は異なるものの、以前より文系と理系それぞれの特徴と強みを生かした交流を重ね、2021年11月18日(木)に大学間連携協定を結んでいる。今回のプロジェクトで青砥ゼミの学生はスペイン語圏諸国特有の社会問題やリソースを取り入れるスペイン語圏版カードのコンテンツ制作に取り組み、青砥清一教授および同じくスペイン語専攻のSanz Rivera Arsenio教授がスペイン語翻訳を行った。
■金沢工業大学が全体監修やプロトタイプを作成
金沢工業大学の平本督太郎研究室では、全体監修およびカードゲームプロトタイプの作成などを行い、双方が得意とする分野で協働しながらプロジェクトを進めた。カードゲームの多言語化による利用層の拡大や、他国の文化的背景に起因する社会問題を自国と比較することで他者・異文化への理解を深めることが期待される。
■スペイン語圏で働く人たちからの要望を受けて制作
スペイン語版・スペイン語圏版クロスの制作プロジェクトは、スペイン語圏で働く人たちからの要望を受けた金沢工業大学が、神田外語大学へ協力を要請し、2021年11月18日(木)の協定締結をもってスタートした。
■多地点等身大接続システムで距離を感じることなくカードを共同制作
その際、金沢工業大学が「DXによる時間と場所の制約を超えた学びの場の創出」を目的に導入した多地点等身大接続システム「SmoothSpace」を活用。双方の学生が金沢と千葉の距離を感じることなくカードゲームを共同制作することが計画され、神田外語大学の青砥ゼミの学生が制作に携わることになった。
■スペイン語圏の社会問題を通じてSDGsの理解を深める
カードの裏面には、神田外語大学と金沢工業大学のロゴを表記することで、両大学によるコラボ製品であることがわかるようになっている。また、異なる得意分野を生かして連携することによる相乗効果に加え、スペイン語圏の社会問題を探求することでSDGsの理解を深めることも本プロジェクトの大きな特徴となる。
【ゼミ長コメント】(外国語学部 イベロアメリカ言語学科 スペイン語専攻4年 五十嵐綺音さん) ※プロジェクト当時
このプロジェクトでは課題選びに苦労しました。問題と感じたことが実際には大きな問題ではなく、また違う問題があるということに気づかされました。このカードゲームは子供から大人まで自国の課題を真剣に考える機会を与えてくれます。たくさんのアイデアを出し合うことで、お互い学びのある有意義な時間を得られるのもゲームの魅力かもしれません。言葉を使ってコミュニケーションを図ることの大切さも改めて感じました。
<SDGsアクションカードゲームX(クロス) スペイン語版・スペイン語圏版について>
概要:「スペイン語版」は日本語版のクロスをスペイン語に翻訳したものとなる。「スペイン語圏版」はスペイン語圏のスペイン・メキシコ・ベネズエラがもつ課題や魅力をテーマとしたオリジナルカード。カードの言語は日本語で、トレードオフカード・リソースカードともに9枚ある。既存のクロスのカードに追加してゲームをおこなうことができる。トレードオフカードには、スペイン語圏の社会問題などが盛り込まれている。
制作:神田外語大学 青砥清一教授ゼミ・金沢工業大学 平本督太郎研究室
スペイン語校閲:イベロアメリカ言語学科 スペイン語専攻 Sanz Rivera Arsenio教授
制作期間:2021年度後期
入手方法:金沢工業大学SDGs推進センターウェブサイトよりダウンロード可能
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