千葉県八街市教育委員会はNTT東日本と連携して、市内の公立中学校4校において、生徒の情報モラル・セキュリティ思考定着・向上を目的として「情報・ネットリテラシー教育」に取り組んでいる。なお、新たな ICT 教材ツールを活用した「情報・ネットリテラシー授業」を7月11日(月)に八街中学校で実施する。
■GIGAスクール構想の導入直後からタブレット端末の積極的な活用を推進
八街市教育委員会では、従来から独自に教職員への「教育 ICT」に関わる研修を実施するなど、GIGAスクール構想の導入直後から、生徒が使用するタブレット端末の積極的な活用を推進してきた。
■児童生徒のリテラシー育成を推進
また、八街市内全ての小中学校にWi-Fi環境と学習コンテンツを整備するなど、児童生徒への学習環境の整備と学習意欲を喚起し、主体的な学習スタイルを実現することをめざすとともに、情報とネットへのリテラシー育成を推進している。
■安全にインターネットを活用するための課題
しかし、児童生徒が安全にインターネットを活用するためのリテラシー向上と保護者への理解醸成を図る上では、以下のような課題が挙げられる。
①インターネットを活用した更なる学習の充実化に向けて、ネットセキュリティに関する知識を網羅的に身につける
②セキュリティの高度化(意識)については、タブレット端末に制限をかけるという手段ではなく、日常でスマートフォンなどを使用する際にも安全にインターネットを活用することができる対応力を育成することで養っていく
■教育現場の状況を多角的に調査
一方、NTT 東日本は、GIGA スクール構想導入後の教育現場における課題やニーズを把握するとともに、八街市教育委員会などの協力により、授業の視察や教職員・生徒からのヒアリングを通じて、教育現場の状況について多角的に調査を実施してきた。
■情報モラル・セキュリティ思考の定着・向上をめざしてトライアルを実施
こうした状況のもと、八街市教育委員会などにおける課題解決に向けて、新たな ICT 教材ツールの検討・開発を進めつつ、教職員などへの研修を交えながら複数回にわたって実際の授業での検証を実施。生徒の「情報モラル・セキュリティ思考の定着・向上」をめざしたトライアルを実施してきた。
■ICT教材ツールを授業で活用
その結果、新たに開発したICT教材ツールが目的の達成に資するものとして、八街市教育委員会でも一定の効果を認めることができたため、今回初めて実際の授業において活用することとなった。
■「ゲーム形式」で設問に回答
新たに開発されたICT教材ツールは、生徒へ貸与中のタブレット端末を利用して、「ゲーム形式」により設問への回答を行う教材。カードに記載された複数の設問に対し、回答の候補が記載されたカードを選択して正誤を確認することで、生徒が楽しく学びながら理解を深めることができる。
■ネットを活用する際の体験をカードで示す
情報・ネット社会において想定される出来事を、ロールプレイングのように生徒が自分事として捉えることで学習内容が浸透しやすくなる。また、ネットを活用する際の実際の体験に近い状況をカードで示すことで、設問とそれに対する自分のアクションを考えながら回答することができ、ネット社会における様々な対応を体験的に学習できる。
※教材の内容は、書籍「ネットの約束」(日経 BP コンサルティング情報セキュリティ研究会/著)に準拠している。
<ICT教材ツールを活用した情報・ネットリテラシー授業>
開催日時:2022年7月11日(月) 13:20~14:10
場所:八街市立八街中学校