関西学院千里国際高等部はアドビと提携し、同校のWebサイトの来訪者データを分析した上で、課題発見から解決アイディア策定までのプロセスを学ぶ情報科「データサイエンス」授業のカリキュラムを共同で開発。同校の全学年を対象に2022年11月から2023年3月にかけて授業を実施する。
■Webサイトの来訪者データを分析し、課題を見つけ解決アイディアを立案
「データサイエンス」の授業では生徒がアドビのWeb分析ツール「Adobe Analytics」を活用して自校の入学検討者向けWebサイトの来訪者データを分析し、課題を見つけ解決アイディアを立案する。そしてプロトタイピングツール「Adobe XD」でプロトタイプを作成、プレゼンテーションを行う。
■分析からプレゼンテーションまで一連のプロセスを学ぶ
生徒間の共有や意見交換、教員およびアドビの専門的観点からのフィードバックを受け、複数回の改善を行ったうえで、最終案をアウトプットする。こうした分析、課題発見、解決策の検討、プレゼンテーションまでの一連のプロセスを学ぶことで、情報社会を構成するデータに着目し、主体的にかかわることのできる人材の育成を目指す。
【関西学院千里国際中等部・高等部 萩原伸郎校長 コメント】
今、学習活動や学校の機能をCo-agencyという視点で改革していくことが重要になっています。Agencyとは“It is about acting rather than being acted upon. (OECD 2019)”と説明されるように、子供たちが課題に直接働きかける主体的な学習や生活の形態です。まさに今回のカリキュラムの共同開発が、学習を通して子供たちがデータ分析から課題を見つけ解決案を導き出すという展開を基盤にしていることに胸が躍ります。私たちの学校のWebサイトのランディングページの動画は12年生の作品です。すでにAgencyの思想を取り入れていますが、さらに、子供たち、学校コミュニティ、アドビ、地域社会がCo-agency を有機的に生み出して、すばらしい学習活動が展開されることを期待しています。
【アドビ マーケティング本部長 小池晴子氏 コメント】
この共創プロジェクトは、データサイエンススキルとデジタルクリエイティブスキルの両方を活用し創造的な問題解決に取り組むという、未来に生きる生徒の皆さんの将来に役立つ実践的な授業です。この授業を受講される生徒の皆さんが、データを見ることで課題解決アイディアの精度を高め、チームで協力しながらアイディアを実現するプロセスの楽しさを感じてくれることと期待しています。
<データサイエンス (2022W) 概要>
対象:高校1~3年生(20~25人)
期間:2022年11月下旬~2023年3月上旬
担当教員:西出新也教諭(Adobe Education Leader*)
※アドビツールを使って特にイノベーティブで実践的な活動を行っている教員をアドビが毎年認定(https://www.adobe-education.com/jp/education-leader/)
予定内容(概要):全35時間
・オリエンテーションとゴール設定
・プロトタイプツール Adobe XDの使い方
・学校webサイト改善アイディア出しと振り返り
・データ分析の基礎理解
・Adobe Analyticsの使い方①
・データ分析の着眼点 – 分析対象の捉え方、分析の型、分析フレームワークなど
・Adobe Analyticsの使い方②
・データに基づく改善案の見直し
・意見、アイディアの共有①
・データとフィードバックに基づく再改善
・意見、アイディアの共有②
・振り返りとまとめ
教材:該当授業回ごとにアドビが10分程度の学習映像コンテンツと演習問題を提供
使用ソフト:Adobe Analytics、 Adobe XD