山梨県富士吉田市教育委員会は教員の採点業務における負担軽減に向けて、デジタル採点システムを開発・販売するスキャネットが提供する「デジらく採点2 普通紙対応版」を、市立吉田中学校など全4校の公立中学校で2022年4月より本格導入した。
※令和 3 年度 明見中学校ブログより
■導入により採点時間が半分に短縮
吉田中学校では1学年に約 150人の生徒がおり、採点に約 2 時間を要していた。しかし、2021年6月に実施した試験の採点において「デジらく採点 2 普通紙対応版」を試用したところ、採点時間を半分に短縮できたことから、同年10月より同製品の本格導入を決定した。
■正答率から生徒の弱点の把握にもつながる
吉田中学校では「デジらく採点 2 普通紙対応版」を利用したことにより、設問ごとの正解率から生徒の弱点を把握でき、定期試験や小テスト等で採点時間の短縮につながった。また、採点ミスの防止や習熟度可視化による授業の発展的改革にも役立ち、教職員の負担軽減につながることなどの理由で、今回の採用に至った。
■山梨県では初の本格導入
山梨県教育委員会によると、県内の学校では吉田中学校が初の本格導入となる。2022 年 4 月からは市内の下吉田中学校、明見中学校、同年 6 月からは富士見台中学校においても導入が開始された。
<デジタル採点システム導入の流れ>
スキャネットでは、2018 年よりAI 技術を活用し、手書き文字の自動認識採点が可能な「デジらく採点 2」のソフトウェアを開発。2019 年からは、それに対応する「スキャネットシート」および「デジらく採点 2 普通紙対応版」のソフトウェアを全国の教育機関に提供。近年の教育現場の急速なICT化の普及に伴い、全国37都道府県、537校(2021年12月時点)において「デジらく採点2 普通紙対応版」が採用されている。
さらに、2020年夏より都道府県や市町村単位での教育委員会からの問い合わせ件数が大幅に増え、特に兵庫県では、県立高校全147校に導入され、公立小中学校においては105校が導入。さらに大垣市の公立中学校全10校や糸島市の公立中学校全7校、富士吉田市の公立中学校全4校と教育委員会を通じて各県での教育機関での導入が加速している。
【デジらく採点2とは】
スキャネットが提供している「デジらく採点 2」は、PC上でテスト解答を採点するソフトウェアで、一文字の手書き文字を自動で認識し採点する機能がある。また、採点した結果はデータとして保存されるため、採点結果の分析も容易に行うことができる。また、2019年からは、従来の解答用紙の作成方法に近い形のまま、学校全体でデジタル採点の導入を促進するため、普通紙(コピー用紙)に印刷した解答用紙を使用して採点が可能な、ソフトウェア「デジらく採点 2 普通紙対応版」を提供している。