国際大学GLOCOMは山口真一研究員が『ソーシャルメディア解体全書』を、田中辰雄研究員が『ネット分断への処方箋』を勁草書房より6月27日(月)に出版する。その同時出版を記念したオンラインセミナー「SNSの未来を考える」を7月12日(火)に開催する。
■SNSの未来を著者を交えて展望
近年、フェイクニュース、誹謗中傷、ネット炎上、社会の分断など、SNSの持つ負の側面が大きな問題になっている。本イベントでは、そのようなSNS上の諸課題を事例とデータから紐解き、社会的対処方法を提示する『ソーシャルメディア解体全書』と、インターネットによる社会の分断に対する具体的な処方箋を示す『ネット分断への処方箋』の同時出版を記念し、3人の有識者と著者2人のパネルディスカッションにより、SNSの未来を議論する。
<イベント開催概要>
開催日時:2022年7月12日(火) 18:00~20:00
主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
協力:勁草書房
開催形式:オンライン配信(Zoomウェビナー)
参加費:無料
参加方法:以下のWebから申し込む
<プログラム>
18:00-18:15 基調講演①「データが示すSNSの実態と求められる社会的対処」
山口真一(国際大学GLOCOM准教授)
18:15-18:30 基調講演②「ネット分断への処方箋」
田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
18:30-20:00 パネルディスカッション
田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授)
古田大輔(ジャーナリスト/メディアコラボ代表)
山口真一(国際大学GLOCOM准教授)
渡辺智暁(国際大学GLOCOM教授) ※モデレーター
※司会:青木志保子(国際大学GLOCOM主任研究員)
<登壇者略歴>
山口真一(国際大学GLOCOM 准教授・主任研究員)
1986年生まれ。博士(経済学・慶應義塾大学)。2020年より現職。専門は計量経済学、ネットメディア論、情報経済論等。NHKや日本経済新聞などメディアにも多数出演・掲載。KDDI Foundation Award貢献賞、組織学会高宮賞、情報通信学会論文賞、電気通信普及財団賞を受賞。主な著作は『ソーシャルメディア解体全書』(勁草書房)、『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)、『ネット炎上の研究』(勁草書房)など。他に、東京大学客員連携研究員、シエンプレ株式会社顧問、総務省・厚労省の検討会委員などを務める。
田中辰雄(慶應義塾大学経済学部 教授/国際大学GLOCOM 主幹研究員)
1957年、東京都に生まれる。東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員、コロンビア大学客員研究員を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専攻は計量経済学。 主要著作・論文『著作権保護期間』(共編著、勁草書房、2008年)、『ネット炎上の研究』(共著、勁草書房、2016年)、『ネットは社会を分断しない』(共著、角川新書、2019年)、「個人情報保護利活用仲介機構の構想 ─保護と利活用をともに実現するための提案」(情報通信学会誌、2021年)ほか。
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授)
2004年、東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム工学専攻博士課程修了(博士(工学))、同年名古屋大学情報科学研究科助手、2007年同助教、2012年東京大学大学院工学系研究科准教授、2021年同教授。計算社会科学、人工知能技術の社会応用などの研究に従事。計算社会科学会副会長。情報法制研究所理事。人工知能学会編集委員会編集長。電子情報通信学会、情報処理学会、日本社会情報学会、AAAI各会員。「科学技術への顕著な貢献2018(ナイスステップな研究者)」。主な著書に「強いAI・弱いAI 研究者に聞く人工知能の実像」「人狼知能 だます・見破る・説得する人工知能」「計算社会科学入門」。
古田大輔(ジャーナリスト/メディアコラボ代表)
2002年に朝日新聞入社。社会部、シンガポール支局長などを経てデジタル編集部。2015年に退社してBuzzFeed Japan創刊編集長に就任し、3年で国内有数のネットメディアに。2019年に独立してメディアのDXやコラボレーションを支援する株式会社メディアコラボを設立し、ジャーナリスト/メディアコンサルタントとして活動。2020年にGoogleニュースラボティーチングフェローに就任。その他の主な役職にファクトチェック・イニシアティブ理事など。
モデレーター:渡辺智暁(国際大学GLOCOM 教授・主幹研究員)
Ph.D.(インディアナ大学テレコミュニケーションズ学部)。2008年よりGLOCOMで専任研究員となり、ICT政策、米国の政策議論、オープンデータなどの研究に従事。2015年より慶應義塾大学で特任研究員としてデジタルファブリケーションの産業・社会利用を推進する研究に従事。2019年より専任研究員としてGLOCOMに復帰。不特定多数の参加者に開かれていることで高い品質が達成されるウィキペディアのようなオープンな仕組みの可能性と限界について通信インフラ、データ活用、ものづくり、AIによる知の生成など様々な分野で研究してきた。
<書籍紹介>
『ネット分断への処方箋』(勁草書房)
田中辰雄(慶應義塾大学経済学部教授/国際大学GLOCOM主幹研究員)
ネットによって人々の意見が過激化し、分断が進んでいるという事実はない。それなのに、なぜネットの議論は罵倒と中傷ばかりで分断されているように見えるのか。著者はその答えを提示するとともに、ネットの議論を実り多いものにするための処方箋として、具体的な改善策の一案であるフォーラム型のSNSを提案する。
『ソーシャルメディア解体全書』(勁草書房)
山口真一(国際大学GLOCOM 准教授・主任研究員)
フェイクニュースを誤情報と判断できず拡散しやすい人の特徴とは? ネット炎上にどう備えるべきなのか? わたしたちの生活に欠かせないソーシャルメディアの諸課題を網羅し、豊富なエビデンスと大規模調査データに基づきその実態を分析する。ソーシャルメディアの歴史から国内外の対策の最新動向まで、豊かな情報社会を築くために。