岩手県釜石市教育委員会はソフトバンクやDリーグと協力し、釜石市立釜石小学校3、4年生を対象に、ソフトバンクのトレーニングアプリ「AIスマートコーチ」や、VRゴーグルを活用したダンスの授業を6月15日(水)に実施した。
■指導者不足の解消に向けてアプリを提供
今回のダンスの授業で活用された「AIスマートコーチ」は、動画で「学ぶ」「比較する」「振り返る」を通してスポーツのスキル向上をサポートするアプリ。学校スポーツにおける教員の指導経験不足などによる不安を解消するために3月31日から提供を開始した。
■ダンスの指導を苦手とする教員の課題を解消
2011年から小中学校の必修科目となったダンスの授業では、教員自身のダンスの経験不足による不安が大きく、ダンスの指導を苦手とする教員が多いという課題がある。今回、自らダンスを習得できる「AIスマートコーチ」を使って授業にICTを導入し、課題解決に取り組んだ。
■VRゴーグルでプロダンスリーグ「D.LEAGUE」の公式戦を視聴
また、プロダンスリーグ「D.LEAGUE」の公式戦をVRゴーグルで視聴。普段見ることができない臨場感あふれるダンスの視聴体験を提供することで、子供たちの意欲の向上につなげた。
■プロダンサーが子供たちを指導
当日は「D.LEAGUE」で活躍するTAKUMI氏(所属:CyberAgent Legit)が、児童に対面で指導を実施。なお、「D.LEAGUE」のプロダンサーが義務教育の現場でダンスを指導するのは、今回が初のケースとなる。
<ダンスの授業の概要>
1.「D.LEAGUE」の公式戦のダンスをVRゴーグルで視聴
「D.LEAGUE」の公式戦のダンスを児童がVRゴーグルを使って視聴。普段見ることができないプロのダンスを、臨場感あふれるVR映像で提供した。
2.グループワーク
TAKUMI氏が各グループにダンスの個別指導を実施。指導を受けていないグループは「AIスマートコーチ」を使って、自分の振り付けを他の児童に撮影してもらい、「AIスマートコーチ」内にある課題動画と比べながら、児童同士でアドバイスを行った。
3.練習の成果を発表
「AIスマートコーチ」で自己学習し、TAKUMI氏に指導してもらったダンスを、児童全員でTAKUMI氏と一緒に踊り、練習の成果を発表した。
【TAKUMI氏 コメント】
みんなにダンスの楽しさを知ってもらいたいと思い授業に臨んだが、元気な小学生からパワーをもらうことができた。休憩中に練習をしていた子もいたのでうれしかった。「AIスマートコーチ」を使った後、ほとんど踊れるようになっていて、小学生が自分で学習できることはすごいと思った。出身地である東北への思いが強くあるので、東北からプロのダンサーが生まれたらうれしい。
【児童の感想】
・VRゴーグルを初めて着けることができて楽しかった。ダンス映像がとてもリアルだった。
・「AIスマートコーチ」を使い、お手本動画と比べて上手く踊れていないことが分かった。
・授業でタブレットを使っていたのでスマホの操作は簡単だった。ダンスが楽しかった。