教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会(ISEN)は「令和3年度 学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」調査報告書(第1版)を6月10日(金)に公表した。今回の調査では、年度始めの4月~5月、成績処理を行う7月、行事やテストが多い10月に事故が多く発生し、「書類」と「電子メール」が漏えい経路・媒体となった事故が全体の70%を占める結果となった。
■各種情報をもとに年度ごとに集計
この調査はISENが毎年実施しており、学校、公的教育機関、関連組織で発生した、児童・生徒・保護者などの個人情報を含む情報の紛失・漏えい事故について、学校や自治体のホームページ、報道発表資料、全国紙や地方紙のニュースサイトに公開されている情報をもとに調査して年度ごとに集計している。
■令和3年度の事故発生件数は185件
本報告書には令和3年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)に発生した情報セキュリティ事故の集計結果や発生件数の推移、事故の特徴などの調査結果がまとめられている。令和3年度の事故発生件数は185件で、平均すると事故1件あたり約130人の個人情報が漏えいしていることがわかった。
■教職員向け情報セキュリティ研修でも活用
報告書は、例年、全国の教職員向け情報セキュリティ研修で利用されている。さらに、報告書の調査結果は他団体が発行する書籍にも引用されている。利用方法はISENのコンテンツ利用条件で確認する。
<調査項目>
・令和3年度 事故発生件数・個人情報漏えい人数
・事故発生件数・個人情報漏えい人数 過去17カ年の推移
・令和3年度 個人情報漏えい人数別 事故発生件数
・令和3年度 漏えい人数別・学校種別 事故発生件数
・令和3年度 月別 事故発生件数
・月別 事故発生件数 過去12カ年の平均値
・令和3年度 発生場所別 事故発生比率
・令和3年度 種類別 事故発生比率
・令和3年度 「紛失・置き忘れ」「盗難」の発生場所別 事故発生比率
・令和3年度 「盗難」の種類別 事故発生比率
・令和3年度 漏えい経路・媒体別 事故発生比率
・令和3年度 漏えい経路・媒体別 個人情報漏えい人数
・令和3年度 漏えい経路・媒体別 事故1件あたりの個人情報漏えい人数(平均値)
・令和3年度 規定違反を伴う事故の発生比率
・令和3年度 規定違反を伴う「紛失・置き忘れ」事故の発生比率
・令和3年度 意図しない行為(行為ミス)による事故の発生比率
・令和3年度 第三者の悪意ある行為による事故の発生比率
・令和3年度 成績情報が含まれていた事故の発生比率
・補足:事故の種類 分類名の解説
・【参考資料】個人情報の不適切な取り扱いに係る処分について