大阪府摂津市教育委員会はイー・ラーニング研究所と連携し、摂津市立別府小学校でキャリア教育用テーブルゲーム教材「子ども未来キャリア」を活用した体験授業を5月24日(火)に行った。
■ライフスタイルの変化で高まるキャリア教育の必要性
近年、雇用・経済などの産業構造は大きく変化し、長引くコロナ禍での影響もあり、私たちの価値観やライフスタイルはますます多様化している。こうした変化の激しい社会を生き抜くため、自分で考え行動するといった、生きる力を身につけるためのキャリア教育の必要性はより一層高まっている。
■キャリア教育をテーブルゲームを通して自分ごと化する
「子ども未来キャリア」はアクティブ・ラーニング型の独自メソッドを用いたスライド教材を活用し、イメージしにくい「キャリア教育」の内容を、テーブルゲームを通した体験型学習により自分ごと化しやすいところが最大の特徴となる。テーブルゲームの特性を活かし、双方間コミュニケーションによる参加型学習で、楽しみながら学習することができる。
■コミュニケーションをテーマに相手への伝え方を学ぶ
今回の取組は2022年3月に実施した公立中学校での体験授業に続き、公立小学校へ展開する初の取組となる。小学6年生の全3クラスを対象とした今回の体験授業では12種類ある学習テーマの中から「コミュニケーション」について実施。物事の背景を考えて、限られた手元のカードを用いてどう相手に伝えるのがいいのかなどを学んだ。
■実際にやってみることで理解につながる
実際の授業では、普段伝えられていないことを言語化する機会となり、ゲームを通して積極的なコミュニケーションが生まれた。難しいテーマでも座学とは異なり、ゲームを通して楽しんで学ぶことで、一緒に体験した教員からは、「考えるきっかけとしての有効性は大いにある」「頭だけで理解していても実際にやってみることは大切」という意見も聞かれた。
■クオリティの高いキャリア教育を展開
「子ども未来キャリア」を使用することで教員もクオリティの高い授業を行うことが可能。実際に「授業はゼロベースから考えるのが大変なため、こういった教材を活用することで現場の業務効率化にも繋がる」といった声も寄せられた。
【摂津市立別府小学校教員からのコメント】
「子ども未来キャリア」の教材は、ゲームを通して楽しみながら学習することができ、主体的に体験することで、すぐに日々の行動に活かせると感じた。今回のテーマである「コミュニケーション」では、カードを用いることで自分の気持ちが出しやすくなり、自発的な発言が生まれたり、相手への伝え方を考えたり、といった考察が見られた。最初にゴールを示すことでその道筋もわかりやすくなり、最後のまとめパートでさらに理解が深まるように思える。公教育の場でのキャリア教育の重要性は高く、要望も多いため、このような体験型学習の実施を保護者にも伝え、家庭でも役立ててもらえればと思う。
【参加した児童のコメント】
・物事の背景により行動が変わり、その時はどうしたらいいかを考えることが楽しかった。
・みんなで最初に話し合ったときや、人が出したカードを見たときは食い違っていても、少し説明をすることで、見方が変わっていくところが楽しかった 。
・みんなとゲーム感覚でコミュニケーションについて学べたことが楽しかったし、そのゲームのお陰で理解が深まったと思った。
・最初は「コミュニケーション?」と思ったが、ゲームをやって自分の力になったと感じた。
・コミュニケーションは、本当に大切なことだと思った。帰宅したら学んだことを家族に報告したい。