コロナ禍により公立小学校の教員の9割が「ICT教育が進んだ」と感じている。一方、保護者は6割が進んだと考えており、それぞれの認識に違いがある。本調査はパーソルプロセス&テクノロジーが教員300人・保護者300人の計600人を対象に行った「ICT教育に関する実態・意識調査」によるもの。
「進んでいない」回答した保護者の理由は「タブレットの持ち帰りができない」「タブレットは配られたが、ほとんど活用されていない」などだ。「教員のICT技術に差がある」「教員がICTを使いこなせない」という指摘もある。また、「民間IT企業、専門家からの直接的なサポート」を保護者も多い。
■コロナ禍でのICT教育の普及は教員と保護者の間に認識の違いが
「コロナウイルスの流行により小学校におけるICT教育の普及は加速したと感じるか」という調査では、教員の9割が「加速した」と回答。一方、保護者は6割が「加速した」と答えているものの、4割が「進んでいない」と感じるなど、双方の認識に違いがある。
■保護者はタブレットの活用に遅れを感じる声が
教員が「ICT 教育は加速した」と感じる理由としては、オンライン授業が普及したことを挙げる声が多くみられたが、保護者は「タブレットの持ち帰りができない」「タブレットは配られたが、ほとんど活用されていない」など、タブレットの活用を中心にICT教育が進んでいないとする回答が見られた。
■家庭へのICT教育のサポートが十分に行われていない現状に
「各家庭におけるICT教育のサポートは必要か」との質問では、教員の89.6%、保護者の87.6%が「必要」と答えるなど、共に約9割近い結果となった。一方、保護者への質問で「学校が積極的にサポートしている」は7.3%、「サポートしている」との回答は33.7%で、残りの6割の保護者は「サポートが足りない」と感じている。
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■「教員間の能力差」の課題を感じる傾向に
「勤務している小学校でICT教育を行う際の課題はあるか」を教員に聞いたところ約9割の教員が課題を感じていると回答。具体的な課題については「ICTに対応できる教員が少ない」「教員のICT技術に差がある」「教員がICTを使いこなせない」など「教員間の能力差」を感じている回答が見られた。
■民間IT企業や専門家のサポートを望む教員が7割
「教育現場に必要な支援」について教員に聞いたところ「民間IT企業、専門家からの直接的なサポート」が最も多く約7割に達した。以下、「実践的なICT教育に関するセミナーの開催」(66.7%)、「ICT教育マニュアルの配布」(66.3%)と続く。
<「小学校の ICT 教育に関する実態・意識調査」概要>
調査機関:2022年4月15日(金)~20日(水)
調査方法:インターネット定量調査
調査対象:
全国の公立小学校教員
全国の公立小学校に通っている子供を持つ保護者
※調査対象はいずれも20代~60代男女
【パーソルプロセス&テクノロジー調べ】