奈良工業高等専門学校(以下、奈良高専)は、奈良市および奈良先端科学技術大学院大学と、相互に連携・協力することで、地域の産業振興と経済の持続的な発展に寄与することを目的に3月29日付で連携協定を締結した。
■教育・研究面の連携を以前から実施
奈良高専と奈良先端科学技術大学院大学は奈良高専専攻科修了生の進学先としてだけではなく、教育プログラムへの参加や共同研究など教育・研究面の連携が以前から行われてきた。また、地域創生においては両教育機関の学生が奈良市内において空き家を活用した地域活性化に取り組む例や、社会の課題解決に両学生が関わる事例などがある。
■両校の連携を協定により見える化
そのような取組が個人としての活動ではなく、今回の協定を締結して見える化する。これにより、それぞれが保有する知・人・物的資源等のバックアップの下、活動の質を高めていくことができるものと考えられる。
■技術者・研究者としての人材を育成
この連携の推進は、奈良高専と奈良先端科学技術大学院大学にとって地域貢献という面だけではなく、学生が身近な地域を活動のフィールド、ビジネスモデルを学ぶ実践的フィールドとして活用できることで、その経験が学生の技術者・研究者としての人材育成にも繋がると捉えている。
■若者の地域社会への定着・参加の増加に期待
また、高等教育機関が自治体と連携して地域の課題発見と解決に関わり、地域、教育機関、学生の共創の場としての地域連携プラットフォームの実現に繋がることで、企業の研究開発の促進や業務改善による労働環境改善、若者の地域社会への定着・参加の増加が期待される。
<連携概要>
【協定名称】
奈良市と国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学、独立行政法人国立高専門学校機構奈良工業高等専門学校との地域の産業振興についての相互協力・連携に関する協定
【内容】
産業分野における連携を強化し、活力ある地域社会の創造を進めるため、以下を連携協力事項とする。
①産業政策の推進に関する事項
②市内企業との共同開発、共同研究などの促進に関する事項
③学生及び卒業生の、市内企業への就職に関する事項
④学生に対する共同教育・社会実装教育などの推進に関する事項
⑤地域の課題解決に関する事項
⑥その他本協定の推進のために必要な事項