国語の学力は小中学校ともに大きな変化は見られず、算数・数学については前回の2016年調査と比べて若干向上していることが「2021年度全国学力・学習状況調査」の結果から見えて来た。
■初めてIRTを用いた精緻な分析を実施
国立教育政策研究所は2021年6月に実施した「全国学力・学習状況調査」の経年変化を分析した結果を3月28日(月)に公表した。今回、初めて項目反応理論(IRT)を用いた精緻な分析を実施。IRTを用いて2016年度調査と2021年度調査の結果を比較・分析した。
■国語は学力の低下や向上などの変化は認められず
国語に関しては、小中学校ともに2016年度調査と比較して、学力スコア分布の状況は大きな変化は見られなかった。国全体としてみれば、児童生徒の学力の低下や向上などの変化は認められなかった。
【小学校国語】
【中学校国語】
■算数・数学は若干向上している結果に
数学に関しては、小中学校ともに2021年度の学力スコア分布は2016年度の学力スコア分布の学力スコアが高い方へ若干移動していることが見てとれる。これについては国全体でみれば算数・数学について若干学力が向上しているとも解釈できるが、次回(2024年度予定)以降の結果もあわせて分析する必要がある。
【小学校算数】
【中学校数学】
<調査概要>
調査目的:国全体の学力の状況について、経年の変化を把握・分析し、今後の教育施策の
検証・改善に役立てるために実施
調査対象:層化集落抽出法によって選ばれた国・公・私立学校の小学校第6学年、
中学校第3学年の児童生徒
小学校600校、中学校749校
調査実施時期:2021年6月1日(火)から30日(水)の期間中、対象学校が実施可能な日時
調査時間:小学校40分、中学校45分
調査内容:教科に関する調査:国語、算数・数学、英語 (中学校)
・問題冊子は国語、算数・数学は13分冊、英語は2分冊で実施。
・出題範囲は原則、調査する学年の前学年までに含まれる指導事項。
・出題内容は我が国の国語、算数・数学、英語の能力を中長期的に測定していくことが
できる内容としている。
・各学校では、いずれか1教科を実施
※調査問題等は非公開