十文字中学・高等学校はLibryならびに凸版印刷と、生徒の自律学習を実現する「セルフモニタリング学習」推進協定を締結した。今回の連携により、デジタル教材プラットフォーム「Libry」、凸版印刷の小中学校向けデジタル教材「navima」、「教育系YouTuber葉一」の授業動画などを数学の授業内で活用。2022年4月から生徒の理解度や習得度に合わせた授業プログラムを展開する。
■デジタル教材を活用した学習に取り組む
この授業プログラムに従って、数学の得手不得手にかかわらず、生徒は自ら立案した計画に則り、デジタル教材を活用した自律的な学習に取り組む。こうして成功体験を積み重ねることで自己肯定感の醸成と学力向上が目指される。
■数学の魅力を伝えるのが難しい状況に
十文字中学・高等学校では、理工系分野を志向する女性の育成に取り組んでいる。中でも数学では「習熟度別少人数制授業」に加えて、「数学講演会や見学会の実施」を行っている。一方、時間に限りがある一斉授業では数学の魅力を味わい楽しんだり、奥深さを知り議論したりするための時間を十分とることが難しい状況にあった。
■新たな「数学」の授業プログラムを共同設計
そこで今回の取組では「授業」という時間を、生徒一人ひとりの「理解度」「習得度」に合わせた形に個別最適化し、効率化を図ることで、数学的な探究活動をより充実させる。こうした背景を受け、十文字中学・高等学校、Libry、凸版印刷は、2022年4月より実施する新たな「数学」の授業プログラムを共同設計した。
<セルフモニタリング学習推進協定における授業内容>
【ICTツールで個別最適な学びをカバー】
デジタル教材プラットフォーム「Libry」を活用し、個別最適な学びを支援する。問題演習の途中でつまずいた生徒は「navima」で小学校の単元までさかのぼって学習し、早い進度で学習が可能な生徒は高校内容の先取り学習に取り組む。定期的なチェックテストで、知識・技能の習得度合いを確認する。
【教員用ツールで個々に応じた学習支援を実現】
教員用ツール「Libry for Teacher」で、教員は生徒一人ひとりの学習の進度や理解状況をデータで把握し、つまずきの解消や個々に応じた学習支援を実現。Teacher(教える)だけではなく、Facilitator(促進する)として生徒一人ひとりを支援する。
【自律的学習できる生徒を育成】
単元学習の初めに必ず目標設定と計画書を作成する。学力や希望進路に応じた計画を自身で作成、計画・管理・修正を繰り返しながら自己調整力を養うことを目指す。また、自身にあった計画を進めることで、自己肯定感と目的意識の醸成を促す。
【数学的な探究活動の充実】
「導入」部分では、数学に苦手意識がある生徒にも興味を起こさせる仕掛けの授業を行う。また「発展・活用 まとめ」部分では、日常に存在する様々な課題に対して数学的な視点から考察。そこで得られた気づきをプレゼンテーションによって他者と共有するなど、思考力・判断力・表現力を養う学習体験を提供し、「数学が好きになる授業」を実施する。
<十文字中学・高等学校 横尾康治校長 コメント>
生徒が学校で活き活きと学ぶ、それこそが本校の目指している教育のあり方です。生徒は一人ひとりが自分の学力に合わせた進度と深度で主体的に学び、教員は好奇心をくすぐる授業を展開する。今回の協定でそういった授業展開を実現します。それぞれが持つ強みを活かすことで、新しい学びのスタイルを形作っていきたいと思います。
「navima」公式サイト