完全オンラインのビジネス・ブレークスルー大学(以下BBT大学)を運営するビジネス・ブレークスルーは、講義動画の音声を自動音声認識し、AI翻訳サービスDeepLで多言語字幕を生成する「BioLa CC」を開発した。
■BBT大学の講義映像に多言語字幕を付与
「BioLa CC」によりBBT大学の講義映像に順次、多言語字幕が付与される。また、教育プラットフォームとしてAirCampus®を利用する法人顧客も多言語字幕生成サービスが使えるようになる。
■コロナ禍で安定した字幕サービスの提供が課題に
BBT大学では一部の講義映像で字幕表示を可能にするユニバーサル化を行ってきたが、コロナ禍の影響で研修のオンライン化が一層進み、ユニバーサル化が必須となるケースも珍しくなくなった。一方、人の手による字幕制作には多くの時間とコストがかかるため、安定した字幕サービスの提供が課題となっていた。
■BioLa CCにより多言語字幕作成の自動化を実現
そこで、BBTでは、音声認識や機械学習などのテクノロジーを用いて多言語字幕を自動的に生成するシステムの開発に取り組んだ。BioLa CCは、同社の自動化された講義動画のプロダクション・パイプラインに、音声認識と自動翻訳を組み込むことで多言語字幕作成の自動化を実現した。
■日本語、英語など14言語の字幕を自動作成
自動音声認識によって生成された文字起こしデータは、「BioLa Dictionary」と講義資料から抜き出した「コンテンツ辞書」を用いることで音声認識精度を向上。音声認識で得られた文字情報をDeepL APIを使用して、さらに14言語に自動翻訳を行う。また、字幕修正と修正後の再翻訳にも対応することでタイムラグの問題も大きく改善した。
■AirCampus®がサポートする、すべてのデバイスで字幕を表示
「BioLa CC」によって生成された字幕は、同社の学習プラットフォームAirCampus®がサポートするスマホ、PC、スマートTVのすべてのデバイスで表示可能。また、字幕データはHTML5のW3C勧告候補のWebVTT形式とTXT形式をサポートすることで、プラットフォームに依存しない字幕データ活用を考慮した。
■日本人が英語講義を学びやすくなる
また、英語講義に字幕を付与することで、同社が提供する海外MBA 「BOND BBT MBAプログラム」などの英語講義をより日本人が学びやすくする効果や、講義内をキーワード検索する用途にも活用できる。そのためユニバーサル対応に限らず学習の利便性を向上させる機能として多くの受講者に役立てられる。
■過去の講義映像にも順次字幕を生成
2022年4月以降、「BioLa CC」を活用することで、BBT大学が過去に作成した数万時間の講義映像に対しても順次字幕生成を行うほか、受講者がオンデマンドで字幕生成をリクエストする機能も近く提供する予定となっている。