東京都品川区と区内公立小学校・義務教育学校 11 校は、2021年9月2日(木)から12月24日(金)までの期間、子供の読み書きの発達特性に配慮したICT学習を活用した実証試験をベネッセコーポレーションと協力して実施した。
■読み書きに関する困りごとに対して学習アプリを使用
今回の実証試験では、品川区の対象校で通常学級を含めて読み書きに関する困りのチェックテストを一斉実施。その上でベネッセが開発している発達障害児や読み書きに困りを抱える児童向け学習アプリを、各小学校と各児童の家庭で任意に利用した。
■読み書きに困りごとを抱える児童へ特性に基づいたレッスンを提供
実証試験では品川区で各児童に配布されているiPadを用いて、チェックテストによって見過ごされている読み書きにおける困りを抱える児童を早期に見つけ、さらにテスト結果の特性に基づいたレッスンを提供した。
■読み書きスキルや学習意欲の向上が目指される
これにより、それぞれの児童の読み書きスキルの向上や学習意欲の向上、指導者の労務負荷の軽減や指導効果の実感、そして保護者含む多くの支援者の安心を醸成することが目指された。
■発達障害児向け学習アプリの機能改善を進める
今後、ベネッセで開発中の発達障害児向け学習アプリが、学校現場でより良い学習支援につながるように、品川区やその他の自治体の協力を得ながら機能改善を目指す。また、小学校の児童の多様性を考慮し、今回の取組に加えて多くの児童に対して効果検証を進めることで、より良い学習支援につなげていく。
<実証試験 概要>
実証試験期間:2021年9月2日(木)~12月24日(金)
※一部学校においては引き続き利用継続
実施校・学年・人数:品川区内の公立小学校・義務教育学校37校中11校
通常級2年生児童675人、特別支援教室1~4年生児童163人、
特別支援学級1~4年生児童69人
実証試験内容:ベネッセで開発している発達障害児や読み書きに困りを抱える
児童向け学習アプリを、各小学校と各児童の家庭(任意)で利用。
<学習アプリを通して提供される個別教材のイメージ>
チェックテストを通して把握した児童個別の状況(「典型的な読み書き障害」「漢字の
書きに困難を示す」)をもとに、児童の特性に応じた学習提案を行い、それに対応した
デジタル教材をiPadに配信する。
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【自治体向けモニター募集】
モニターで利用する学習アプリ:読み書きの発達特性に合わせた児童向け
学習アプリ「MARUG Land」(マルグランド)
※提供教材は小1~4の範囲の「読み」「書き」「読解」となる。
モニター期間:2022年4月1日~7 月末を想定(要相談)
対象児童:通常級、通級指導教室、特別支援学級在籍の1~3年生
※GIGA 標準仕様のタブレットで利用可能。Web ブラウザでアクセス可能で
インストール等は不要。
利用申込:まずは教育委員会より、accessible★mail.benesse.co.jp へメールで相談
※メールアドレスの★を@に変えて送信
※本モニターは 2023年度有償導入を見据え、導入可否の判断することを前提とした
モニター募集となる(1自治体当たり1~2校を想定)。モニター数に上限があり、
相談した後にモニター実施できない場合もある。
教材の特長:
①発達特性に合わせた調整機能
児童の学習意欲を削がないよう、問題文の読み上げ機能や問題の分量・難易度など、
学年を意識することなく、特性に合わせた学習環境の調整が可能。
②チェックテストから学習内容を自動オススメ
まずは児童の認知特性、読み書きの困りをチェックテストで確認。豊富な読み書き
トレーニングから、最も子供に合っている「学び方」を自動提案する。
③児童の取組を客観データとして共有可能
チェックテスト結果からの児童の特性・指導方針に加え、取組状況などを見ることが
できる。学習状況を学校の教員や保護者と共有することで、共通認識ができたり、子供
の自己肯定感を育んだりする。