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「第37回 東書教育賞」最優秀賞など入賞者が決定~全国から140編の応募が集まる

2022年2月2日

全国の小中学校や教育行政で働く教員から教育実践論文を募集する「第37回 東書教育賞」(共催=東京書籍、公益財団法人中央教育研究所)の入賞者が決定した。今年度は審査の結果、小学校部門では最優秀賞1編、優秀賞2編、奨励賞3編、中学校部門では優秀賞1編、奨励賞3編が選ばれた。

 


■贈呈式を映像により実施

東京書籍と(公財)中央教育研究所は「第37回 東書教育賞」の受賞者に対して映像を送る形で贈呈式を20222月に開催する。東書教育賞は教育現場の地道な実践活動に光を当て、優れた指導法を広く教育現場に広めることを目的に、1984年の東京書籍創立75周年を記念して設立されて以降、日本の教育の発展に寄与している。

 


■ICTを活用した応募論文が20%を超える

2021年度は「未来を担う子どもと共に歩む確かな教育実践」のテーマに対し、全国の小中学校教員と教育関係者から140編の応募が寄せられた。昨年度に引き続き、ICTを活用した応募論文が20%を超え、教科等の目標を達成するためにICTを活用するというスタンスの定着が見て取れる。加えて、「社会に開かれた教育課程」を意識した、地域や実社会との具体的で現実的なつながりを意識した実践も増えた。

 


■論文集にまとめられ全国の学校などに配布

受賞論文は論文集としてまとめられ、後日全国の学校や教育機関等に配付される。なお新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、贈呈式は審査員の講評をまとめた映像を受賞者に送付する形で実施される。

 


<第37回 東書教育賞 入賞者>


【小学校部門】

最優秀賞:燕市立燕南小学校 山口哲史教諭

『社会貢献をし、自らの幸せを創造する力の育成』

 

優秀賞:品川区立大井第一小学校 藤森克彦校長

『思考力の育成~探求的な話合いを通して~』

 

優秀賞:立命館小学校 山田航大教諭

『子どもたちが社会に向けて提案する課題解決型学習の可能性』

 

奨励賞:尾張旭市立東栄小学校 鈴木由季子教諭

『学習世界を広げる子どもたち~魔法のタブレットをたずさえて~』

 

奨励賞:足立区立千寿桜小学校 富松里子特別支援教室専門員

『支援を要する児童の「教育的ニーズ」への適切な指導と支援の充実』

 

奨励賞:海田町立海田小学校 名和原奈穂子教諭

『相手や目的に応じて自分の考えを書いて表現する学習指導の工夫』

 


【中学校部門】

優秀賞:和歌山大学教育学部附属中学校 矢野充博教諭

『中学校理科における気象現象の理解を深めるARの積極的活用』

 

奨励賞:竹原市立吉名学園 有松浩司教諭

『「拓く力」の育成を目指した総合的な学習の時間の展開』

 

奨励賞:埼玉県立蓮田特別支援学校 髙橋久江教諭

『英語劇「マジックショー」でコミュニケーション能力を伸ばす』

 

奨励賞:大阪市立新巽中学校 山本昌平主務教諭

e-Sportsを基盤としたキャリア教育のデザインと非認知能力の育成』

 


<小学校部門 最優秀賞 燕市立燕南小学校 山口哲史教諭 論文概要>

勤務校である燕南小学校では、様々な行事や活動が奪われたコロナ禍の下でも、子供たちの自己肯定感を高められるように「①役に立つ機会をつくる工夫」の取組を行った。また、国語の学習と合わせて「②協働的問題解決の仕方を身に付ける工夫」を実施。さらに、今後の人生においても積極的に人や社会に関わっていく姿勢をつくるために「③関わることの価値をメタ認知できる工夫」をした。これら3つの手立てによって、子供たちに、社会貢献をするとともに自らの幸せを創造する力を育成することを目的とした。

具体的な活動は、校内のみんなのために活動した「燕南小元気づけ隊パート1」、新たに生まれた課題を解決するための情報収集「人と関わる職業の方にインタビュー」、考えをまとめ整理する「国語と合わせた書く活動」、自分の考えを発信する「学習発表会」、コロナ第2波を乗り越えるための「国語と合わせた話す聞く活動」、地域のために活動した「燕南小元気づけ隊パート2」となる。

子供たちは活動を通して、みんなの役に立てたことを実感し、自己肯定感を高めることができた。また、国語の学習と合わせたことで、効果的に学習を行うことにもつながった。さらに、体験を伴った振り返りをすることによって、自分なりの「かかわりの価値」を考えることができた。

 


<小学校部門 優秀賞 品川区立大井第一小学校 藤森克彦校長 論文概要>

大井第一小学校の研究は、まず、自校の教育の実態を把握することから始まった。具体的には、児童の実態やそれまでの校内研究の取組、本校の教員として身に付けたい力や願いなどを洗い出し、我々がどういうことを考え研究を進めていくべきかを明らかにするため、教師一人ひとりにアンケート調査を実施した。

そこで見えてきたのは、我々が期待する児童の姿と教師としての課題意識であった。研究1年次を終えるにあたり、教師一人ひとりが「思考力の育成」をテーマに1年間の研究を振り返るレポートを作成し、「研究紀要」にまとめた。思考力は「見えない学力」であるが、思考力があたかもそこにあるかのように見ようとしながら、授業改善に向き合っている様子がうかがえたことは研究の成果の一つとなった。

 


<小学校部門 優秀賞 立命館小学校 山田航大教諭 論文概要>

本論文は、ZOOMを活用して児童が自らのアイデアや考えを社会に向けて発信する実践についてまとめたものである。見学という受け身の学びだけではなく、社会課題を自分事として捉え、その課題解決に向けて自ら提案するところまで行きつくよう工夫した。

本実践は、小学校社会科における食料生産やフードロスについて扱った内容である。社会課題やその解決策が注目されており、社会の動向も意識して児童にも考えてもらうようにした。オンラインでゲストティーチャーを招き、児童らの考えやアイデアについてフィードバックをしてもらった後、企業に対してさらに具体化したものを提案することにつながった。

最終的には、企業の方から感謝状をいただいたり、児童が考えたアイデアをプレゼンする機会として代表児童と企業とのオンライン交流会が実現したりした。学校と専門家・企業がつながることによって、見える世界が広がるとともに、児童の学びがより深くなった実践である。

 


<中学校部門 優秀賞 和歌山大学教育学部附属中学校 矢野充博教諭 論文概要>

中学校理科第2学年「気象現象とその利用」の単元において、ARを活用した学習を行った。単元のはじめは、教員作成のARコンテンツを使って気象現象を観察させた。ARに慣れてきた頃に、生徒が5つのARコンテンツを作成して観察や思考を行った。

ARコンテンツの作成には、iPadアプリ「Reality Composer」と「Keynote」および生徒が毎回の授業で撮影した雲写真、Oculus Quest2 アプリ「Gravity Sketch」を使用。定期テストの正答率の比較や生徒アンケートによると、ARを活用した学習は、図や写真では理解するのが難しい空間的な構造や動きを捉えることに役立ち、自然現象の深い理解につながることがわかった。特にARの活動場面については「空間的な動き」を理解する場面で非常に効果的である。

また、ARコンテンツを生徒に作成させる場面は、事前に用意した制作パーツを配布して、それらを組み立てて動きを付ける方法が好まれる。その理由としては、制作の難易度が下がり、ARコンテンツをしっかりと観察して、課題に向き合う時間が増えるために、内容の理解に集中できるからである。

 

37回 東書教育賞受賞者

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