GIGA端末の活用推進にあたっての課題は「研修や自己研鑽の時間の不足」や「準備時間がかかる」ということがJMCの実施した「GIGAスクール構想に関する意識調査」から明らかになった。
JMCは神奈川県内の教育委員会や公立小中学校の教員を対象に「GIGAスクール構想に関する意識調査」をWebアンケートという形で実施。有効回答数は1437人。
■約半数の教員が「研修や自己研鑽の時間が不足」と回答
GIGA端末の活用推進にあたっての課題は、「研修や自己研鑽の時間の不足」という回答が最も多く46%。次いで「準備時間がかかる/どれを活用すればよいのか分からない」が43%、「操作方法が分からない/操作がしづらい」が33%、「ICT支援員等人的サポート・体制の不足」が30%と続く。
■ICT支援員による人的支援を求める声も
ICT活用指導力を高めるための研修や自己研鑽の時間が不足しており、多くの教員が操作方法や活用方法に課題を感じていることが分かる。また、準備時間を課題として挙げる教員が多いことからも、ICT支援員などによる人的支援が強く求められていると考えられる。
■約8割の教員がGIGA端末を週1回以上活用
GIGA端末を「週1回以上」活用している教員の割合は78%、児童生徒の割合は68%。GIGA端末の活用は進みつつあるが、「毎日」活用している教員の割合は46%、児童生徒の割合は26%にとどまっている。さらなる活用促進のために、GIGA端末の効果的な活用場面を考慮した授業設計や支援体制の整備が必要だと思われる。
■8割の教員が児童生徒による情報漏えいが心配
情報セキュリティに関して心配なことは、「児童・生徒による情報漏えい」が最も多く78%。次いで「教員による情報漏えい」が58%、「外部からの不正アクセス」が42%、「ウイルス感染」が39%となっている。
■情報漏えいを防ぐために情報セキュリティ研修が必用
情報セキュリティに関しては、外部からの脅威よりも学校内に潜む脅威への意識が高くなっている。GIGA端末の整備により子供たち自身が情報を取り扱う機会が増えるなど、従来とは異なるICT環境へと変化したことを考慮した情報セキュリティ対策が必要となる。情報漏えいを未然に防ぐために、校内で情報セキュリティ研修を実施するなどの対策が求められる。
<調査概要>
調査対象:神奈川県内の教育委員会、公立小・中学校の教員
調査期間:2021年8月10日~11月30日
調査方法:Webアンケート調査
有効回答数:1437人