近年、学生向けにビジネスデザインコンペや産学共同研究を行う企業が増えている。デジタルツールを用いたり、デザインスキルを活かして新たな価値を創造できる人材は少なく、そうした人材の育成が求められる。そこで、各社のビジネスデザインコンペや学生向け施策を紹介する。
◆アドビ株式会社＜College Creative Jam＞
College Creative Jamは2020年からスタートした、大学生が社会問題解決のアイデアを競うデザインコンペ。社会問題に対してモバイルソリューションを用いることで、いかに解決させるかを、それぞれの学生がチームで考案し、プレゼンする。参加する学生は美大や一般大を問わず、多くの学生が参加。プレゼン審査は電通やフェリシモなど、企業で顧客体験を創造する現場にいる人が担当する。
【参加者の声】
これだけ長期間チームで制作に取り組んだことはなかったので、すぐに相談出来たり、自分が出来ない部分は頼ったり教えあったりが出来たり、個人よりもグループワークのほうがやりやすさや個人的なスキルの成長を感じました。
また有機農業は、この課題で初めて知ったものだったのでリサーチなど苦労する部分がありましたが、逆に固定概念がなくやりやすかった部分もあるので、自分が知らない領域にも怖がらずどんどん飛び込んでいこうと思いました。
◆株式会社ロコガイド＜多摩美術大学との産学共同研究＞
2019年からロコガイドと多摩美術大学が連携し、産学共同研究を実施している。この共同研究学生の柔軟な発想力や若い世代の目線をサービスの発展に取り入れ、かつ学生に早期のうちから「UI/UXデザイン」の魅力や社会的意義を実感してもらうことで、プロUI/UXデザイナーを志す学生を創出することを目的としている。
2021年は「今の生活の中で楽しく、役に立つアプリ」というテーマで共同研究を実施。4か月にわたって学生向けの講義を行い、サービスの企画からスマートフォンアプリのデザインに落とし込むまでのプロセスを体験した。
◆株式会社ビビビット＜デザインアンヌアーレ＞
「デザインアンヌアーレ」は現役UI/UXデザイナーのゲストスピーカーから、学生デザイナーに向けて自身の経験や体験、身につけた技術などに関するセミナーで、2021年に初めて開催された。各セッションでは、その業界で活躍する社会人が自身の業務やこれまでの体験に基づいたナレッジシェアをしており、業界へのキャリアを目指す学生デザイナーに向けた講演のほか、明日からデザインに活かせる学びが提供された。また、セミナーには、DeNAやサイバーエージェント、バンダイナムコスタジオ等の企業で活躍する一流のUIデザイナーやビジュアルアーティストが登壇した。
