「NetモラルCBT」は学校現場での活用が進んだことで、小中学校ともに「情報社会の倫理」の設問に対する理解に課題があるなど、情報モラル教育における各分野別の誤答率が明確になった。
■NetモラルけんていをCBT化して「NetモラルCBT」として提供
「NetモラルCBT」は広島県教科用図書販売(以下、広教)が2021年春にリリースした「事例で学ぶNetモラル」の新機能となる。広教はGIGAスクールによるタブレットの普及や、文部科学省による全国学力・学習状況調査の2025年からのCBT化に備え、既存機能「Netモラルけんてい」をCBT化し、「NetモラルCBT」としてサービスを開始した。
■テスト結果を診断書という形で提示
「NetモラルCBT」は児童生徒にテスト結果を「診断書」という形で提示することが可能。また、教員はテスト結果を個人別・クラス別に把握することができる。さらに、テスト結果に基づき「お勧め事例」が推薦される機能が搭載されており、教員の授業準備の負担を軽減できると同時に、個別最適な情報モラル指導を実現できる。
■理解度の低い分野を特定可能
「NetモラルCBT」は現時点で全国500校以上の小中学校で利用実績がある。同サービスでは誤答率のデータを取得することができ、ユーザー全体における理解度の低い分野を特定することが可能となった。
【小学校における誤答率トップ10】
【中学校における誤答率トップ10】
<監修者 東北大学大学院情報科学研究科 堀田龍也教授 コメント>
「NetモラルCBT」のサービス開始からおよそ9か月で収集されたデータによれば、情報発信の際の「情報社会の倫理」や、著作権などの「法の理解や遵守」に関する理解に課題があることが示されており、8年前のデータとほぼ同じ傾向でした。すなわち、SNSやネットサービスが次々に移り変わっていく中であっても、情報モラル指導の重点は変わっていないと言えるでしょう。今後も、「NetモラルCBT」で観測された全国の児童生徒の情報モラルの実態を公表したり、これらのデータを積極的に反映させた教材開発ができるようになることを目指していきます。