金沢大学附属高等学校は、地域貢献力や課題解決力など「学力以外の資質・能力」を可視化する評価ツールとして、Institution for a Global Societyの「Ai GROW」を導入することを決定した。
■生徒同士で能力を評価しAIで補正
「Ai GROW」はテストで評価することが難しいとされる「学力以外の資質・能力(思考力、判断力、表現力等)」を可視化する評価ツール。能力を生徒同士で評価し、評価の偏りや忖度をAIで補正することで公正な評価を実現する。国内外で200校以上の学校で導入されている。
■WWL拠点校では5校目となる導入
金沢大学附属高等学校は、イノベーティブなグローバル人材育成を目的とする文部科学省の事業「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)」の、北陸唯一の拠点校。「Ai GROW」の導入は、地域課題解決などWWL独自の教育に関する効果検証を目的とする。なお、WWL拠点校22校のうち、Ai GROWの導入校は5校目となる。
■「竪町 Art Spiral」で地域課題解決に取り組む
金沢大学附属高等学校では「地域活性化プロジェクト」の1つとして「竪町 Art Spiral」において、金沢21世紀美術館や竪町商店街との協力を得て「かなざわ未来芸術祭」のオンラインでの開催の在り方を探究するなど、地域の企業や行政と協力しながら生徒が地域課題解決に取り組んでいる。これらの教育効果を可視化するため、石川県で初めて「地域貢献力」や「課題解決力」を定量化する評価ツール「Ai GROW」を導入する。
■指の動きやかかった時間などからも能力を分析
従来の能力や性格を測る適性検査は、選択式の回答を分析するのが主流だったが、AIを使った適性検査では、回答に至るまでの過程も分析し、潜在的な気質や行動特性を分析する。「Ai GROW」では、児童生徒がスマホやタブレット端末で回答する際、指の動きやかかった時間などの要素も踏まえ、「悩みながら答えている」と分析する。
■第1回目の受検日は1月21日を予定
第1回目の受検日は1月21日(金)を予定しており、生徒約240名(2学年6クラス)が受検する。今後、定期的に受検することで、生徒の能力の成長を測る。
<Ai GROW(アイ・グロー)とは>
児童生徒の資質・能力と、各種教育活動の教育効果を定量化する教育機関向け評価ツール。スマートフォンやタブレット端末により、潜在性格診断(IAT)と能力評価(自己評価・相互評価)を行い、相互評価にAIの補正を加えることで、評価バイアスを極小化する。結果を可視化・定量化することで即時フィードバックすることが可能となっている。