文部科学省は、新型コロナウイルスの感染などで、やむを得ず学校に登校できない児童生徒等への対応として、GIGAスクール構想で整備されたICT端末などを活用して、学習活動を円滑に実施することができるよう通知を1月12日(水)に発出した。
■規則正しい生活を維持し学校と児童生徒の関係を維持することが大事
それによると、やむを得ず学校に登校できない児童生徒等に対しては、学習に著しい遅れが生じることのないようにするとともに、規則正しい生活習慣を維持し、学校と児童生徒等との関係を継続することが重要だとする。
■ICTを活用して学校と自宅にいる児童生徒とのつながりを確保
そこでICT端末を自宅等に持ち帰り、オンラインによる朝の会や健康観察で会話する機会を確保したり、ICT 端末に学習課題等を配信することで自宅学習を促進したり、同時双方向型のウェブ会議システムを活用して教師と自宅等をつないだ学習指導等を行ったりするなど、登校できなくても学校と自宅等をつなぐ手段を確保するよう求めている。
■オンラインでの学習指導に向け環境整備を求める
オンラインでの学習指導を行うためには環境整備が十分ではない地域や学校がある。早急な改善を図るため、①ICT運用を広域的に支援する体制を整備する「GIGAスクール運営支援センター整備事業」や、②オンライン教育推進に必要な機器を追加整備する「学校の ICT を活用した授業環境高度化推進事業」を活用して整備を進める必要があるとする。
■教科書と教材を組み合わせICT活用で指導を進める
具体的にはコロナの感染の状況に応じて、教科書に基づいて指導するとともに、教材を組み合わせたり、ICT環境を活用するなどして指導を進める。また、課題を配信する際には児童生徒の発達段階や学習の状況も踏まえ、適切な内容と量となるよう留意し、学習者用デジタル教科書やデジタル教材などを用いたり、それらを組み合わせた指導も考えられる。
■新型コロナウイルス感染症への対応のための幼稚園等の取組事例集」を参考に
幼稚園については「子供の学び応援サイト」に掲載した「新型コロナウイルス感染症への対応のための幼稚園等の取組事例集」も参考としつつ、家庭で過ごす幼児の教育支援や保護者支援などに取り組むよう求めている。
■ICTを活用した学習指導等を行うためのチェックリストや実践事例を周知
また、やむを得ず学校に登校できない児童生徒へのICTを活用した学習指導等を行うためのチェックリストや自治体の実践事例などを周知。チェックリストでは、ICTを活用した学習指導を行うのに十分な環境が整っているか、学校と自宅のICT環境が整備されているかなどをチェックすることができる。また、自治体の実践事例では長野県やさいたま市などGIGA StuDX推進チームで情報収集した事例が紹介されている。