特定非営利活動法人シャプラニールは、子供を取り巻く社会課題の解決に向けて、はがき寄付活動「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」を3月31日(木)まで実施中。書き損じはがき・未使用はがき・余った切手を全国から集め、子供の教育支援などに活用する。お年玉年賀状の当選発表が1月16日(日)に予定されているが、ハズレたはがきでも、海を越えて誰かのためにつながる寄付キャンペーンのため協力を呼びかけている。
■コロナ禍による学校閉鎖で拡大する教育格差
バングラデシュは世界でも最も長くコロナ禍の影響で学校が閉鎖された国の一つ。1年半ぶりに学校が再開された2021年9月以降も、都市部の中流階級以上の世帯だけが受けられるオンライン授業が中心であり、教育格差が拡大している。
■児童婚や児童労働で学校に通えない状況に
一部のバングラデシュの子供たちは、学校閉鎖中に仕事を始めたり、結婚させられたりしたため、学校に戻ることができない現状にある。また、バングラデシュでは児童婚が法律で禁じられているにもかかわらず、様々な理由から児童婚・児童労働のリスクを高めることが懸念される。
■バングラデシュで働く少女たちの支援に
今回のキャンペーンは、書き損じ・未使用のはがき・切手を全国から集め、33万人以上とされるバングラデシュで働く少女たちの支援活動などに役立てられる。お年玉年賀はがきの当選にはずれたはがきの他、過去の郵便料金の改定で不要になった旧価格のはがき・切手も対象になる。切手1円からでも、家にいながら不要品を活用して気軽に参加できる支援活動となる。
■年賀状離れから寄付実績は減少傾向に
書き損じはがき・切手を対象とした単独の寄付キャンペーンとしては、国内最大級の取り組みとなる。しかし、昨今の年賀状離れや企業間の年賀状廃止が急速に広がり、2022年用年賀状の発行部数は過去最低を記録。実際にシャプラニールの前回キャンペーンでは、寄付実績が46万枚に減少している。
■今年もキャンペーンの継続を決定
増加が依然と続く海外の子どもの問題の撲滅に向けて、今年もキャンペーンの継続実施を決定、全国からの支援を募る。デジタル年賀状のサービスなども増えており、古い切手が使えず残ってしまうことも予想されるが、本キャンペーンでは余ったはがきだけでなく切手も寄付できる。
■ダッカ市内に支援センターを開設
今年の目標は50万枚。多くの少女達が働きに出ている首都・ダッカ市内のスラム街近くの民間住宅エリアに、支援センターを新たに開設。この地域では家事使用人として働く少女への支援活動はあまり行われていなかった。コロナ禍による学校閉鎖や家庭の収入減を理由に新たに働きに出てきた少女もおり、今後も支援を強化していくことが必要とされる。
■はがき20枚で授業を1か月実施できる費用に
不要なはがき10枚(約500円)が、支援センターを1日運営できる費用相当になる。はがき20枚では、読み書きを学ぶ授業を1か月実施できる費用に相当する。自分の意思を親や雇用主にうまく伝えることができない子もおり、教育支援を通じたコミュニケーション能力の向上が、児童労働・児童婚の回避に実際に繋がっている。寄付した人に現地の少女からお礼のメッセージレターが後日届けられる。
<「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」概要>
対象:
・未投函の郵便はがき
・書き損じた年賀はがき、過去の余った年賀はがき等
・切手(未使用、使用済み)
参加・寄付の方法:封筒などにはがきや切手を入れて、下記まで送付。
〒169-8611 東京都新宿区西早稲田2-3-1 シャプラニール
「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」係
受付期間:2021年12月26日(日)~2022年3月31日(木)
※キャンペーン終了後も寄付を受け付けている。
キャンペーン・参加方法の詳細:以下のWebで確認
※電話申込も受付可能。シャプラニール東京事務所 TEL03-3202-7863
(受付時間:火~土曜 10:00~18:00)