千葉商科大学は防災機能の向上を図るため、2022年2月から学内建物に蓄電池設備を導入する。これにより、屋上太陽光発電による電気を災害時などの非常電源として活用できるようになる。
■非常電源として再生可能エネルギーを蓄電して活用
千葉商科大学は、これまでも防災・減災への取組として、地下水を膜ろ過処理して「飲料水」基準の水を作り出すシステムの導入や、地域住民向けの防災イベントや講座の開講に取り組んできた。今回は再生可能エネルギーを蓄電して活用することにより、電力システムのレジリエンス強化につなげる。
■停電時は蓄電した電気を照明などに活用
日中(晴天時)に発電した電気を、蓄電池に蓄えることで半永続的に電気を使用できるようになる。また、蓄電設備は災害時に構内で数時間におよぶ停電が発生した事態を想定し、学生や教職員の一部滞在施設、地域住民の一時受け入れ施設での照明設備とコンセント(モバイル機器の充電等)として利用できるよう検討した。
■SDGsをカバーした教育研究と地域貢献活動を推進
千葉商科大学は災害への取組として、2008年に市川市と包括協定を締結して以降、協働で事業を展開。また、2017年から学長プロジェクトを起点として幅広くSDGsをカバーした教育研究と地域貢献活動を推進している。
■地域分散型エネルギー社会の形成を支援
学長プロジェクトテーマの一つ、「安全・安心な都市・地域づくり」では、市川キャンパスのある市川市国府台地区を市川・江戸川地域の防災拠点の一つとするだけでなく、近隣の大学や病院と連携し、地域資源を生かしたまちづくりや安全な地域交通システムの形成などをめざす。千葉商科大学では引き続き、エネルギーの地産地消のモデルとして、地域分散型エネルギー社会の形成を支援していく。
<蓄電池設備導入概要>
半導体不足等の影響における資器材の確保や工事期間を踏まえ、工事は二期に分けて実施予定。なお、第一期工事では、避難者の一時受け入れ施設から優先して導入予定。