文部科学省は、GIGAスクール構想における高等学校の1人1台端末について早急な整備を求める文書を12月27日(月)に発出した。留意点として保護者への負担軽減策を講じる場合は交付金の活用が可能な点などを促している。
■各都道府県の整備状況を国がフォローアップ
高等学校の1人1台端末については、12月24日(金)に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含め、各都道府県における整備状況を国としてフォローアップし、必要な取組を促す」ことが示された。
■高等学校においても1人1台端末の早急な整備を
2022年度入学生から年次進行で実施される高等学校の新学習指導要領では、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力の一つとして位置付けるとともに、共通必履修科目「情報Ⅰ」においても、全ての生徒がプログラミング、情報セキュリティを含むネットワーク、データベースの基礎等について学習を開始することとなっている。これらを踏まえて、高等学校段階においても1人1台端末の環境を早急に整備することが必要とされる。
■財源は新型コロナウイルスの臨時交付金の拡充分の活用が可能
高等学校段階における端末の整備の財源については、一般財源とともに2021年度補正予算に計上された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充分を活用することが可能となっている。
■端末の整備方針などの調査結果は今後公表予定
文部科学省では、各都道府県等における公立高等学校の端末の整備方針や2022年度当初の整備見込み等について調査を実施。その調査結果については、今後公表する予定となっている。
■高等学校に進学後も切れ目なく同様の環境で学べるように
各学校の設置者は義務教育段階で学んだ児童生徒が高等学校に進学しても切れ目なく同様の環境で学ぶことができるよう、以下の点に留意しつつ、高等学校段階における端末の整備について万全を期すよう求めている。
<1人1台端末の整備における留意点>
①保護者の負担軽減策として交付金の活用が可能
1人1台端末が整備途上の場合、公費で端末を調達する場合に限らず、保護者への負担軽減策を講じる場合等においても新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能となっているので、活用する場合は、実施計画の提出期限を厳守するなど事務手続きに漏れが無いよう留意すること。
②経済的理由で端末を準備できない家庭へ購入費の補助などを行っている事例を紹介
個人の端末の持ち込みにより高等学校の1人1台端末環境を整備する地方公共団体の中には、経済的困窮等の理由で端末を準備できない家庭に対し、端末の購入費の補助や立替等を行っている事例がある。こうした取組について、文部科学省では今後情報提供を行う予定であるので参考とすること。
③関係省庁と連携しつつ、関係事業者と意見交換
端末を整備する費用の負担軽減を図るため、文部科学省としては、関係省庁と連携しつつ、関係事業者等と意見交換等を実施している。今後、有用なサービス等が提供される場合は、随時情報提供を行う予定であること。