東京都教育委員会は2022年4月から、すべての都立高等学校で大日本印刷(DNP)の学びのプラットフォーム「リアテンダント」を導入する。DNPは東京都が目指す3つの計画、①「学び方改革」、②「教え方改革」、③「働き方改革」の実現を支援する。
■採点の効率化に向けて「リアテンダント」を導入
東京都教育委員会は「Society5.0」の実現に向け、教育のICT化を強力に推進することで、学び方・教え方・働き方の3つの改革を実現する「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を推進。その実現のため都立学校のICT環境整備の一環として定期考査の採点・分析システムを整備するなかで、採点の効率化に加えて学習履歴データの活用に向けて「リアテンダント」の導入を決定した。
■児童生徒の学習履歴のデータを蓄積・可視化
「リアテンダント」は、テストの採点を支援するほか、児童生徒の学習履歴のデータを蓄積・可視化し、一人ひとりに応じた指導につながる情報を教員に提供するプラットフォーム。今回、採点パッケージ(中学校・高校向け)が提供される。
■指導と評価の一体化を支援
DNPは「リアテンダント」の提供を通じて、採点業務の効率化による教員の働き方改革や、学習履歴の可視化による「個別に最適化された学び」の支援、情報端末向け教材の提供による指導と評価の一体化などを支援する。
■東京都のBYOD研究指定校7校に採点支援システムを提供
DNPは文部科学省の「次世代学校支援モデル構築事業」や、総務省の「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」など先進的な実証事業に参画してきた。2019年から2020年には東京都のBYOD研究指定校7校に採点支援システムを提供。採点の効率化による教員の働き方改革を支援し、採点時間を従来の半分程度に短縮してきた。
■学習履歴データを分析し、授業の改善に活かす
7校のうち2校では、2020年に東京学芸大学の森本康彦教授と北澤武准教授の指導のもと、採点支援システムで収集した採点やアンケートの結果データの活用について研究。蓄積した学習履歴データを分析することで、授業の改善などに活かしていく実証研究を行った。本研究では、データ活用による教員の気付き、授業や指導の改善、生徒の学習計画への活用について検証を行うとともに、活用時の課題について抽出した。
■計203校の都立学校に「リアテンダント」を導入
今回、東京都立高等学校全校、中等教育学校および附属中学校、計203校の都立学校に「リアテンダント」の提供が決定。都立学校各校の「働き方改革」を支援するとともに、研究を通じて得た知見をもとに、学習履歴データを活用した教員の「教え方改革」、生徒の「学び方改革」を推進する。