西アフリカのシエラレオネで教育支援を行うNPO法人アラジは、ケネマ県において中高生男子向けの性教育プログラム「ハズバンドスクール」を開校した。性教育の欠如や性暴力により10代での若年妊娠が増加するシエラレオネで、性教育プログラムを通じて男性側が正しい性知識を持ち、女性と接することができる起点となるよう、現在100校の開校を目指している。
■シエラレオネの子供と大人に教育と就労の機会を提供
シエラレオネ共和国では、1991年に政府と反政府軍との間でダイヤモンド資源を巡る複雑な内戦が勃発し2002年に終結。NPO法人アラジでは、シエラレオネにおいて約7年間にわたり、経済的困難を抱える最貧困家庭の子供と大人たち、延べ1100名に教育と就労の機会を届けてきた。
■男女の教育格差が大きな社会問題に
NPO法人アラジは、シエラレオネ共和国ケネマ県において、10代のシングルマザーが再び学校で学べるための奨学金給付支援を実施。手に入らない避妊具や性教育の知識の欠如、性暴力などが原因による望まれない妊娠により、約2割の10代の女子が初等教育の機会や、その後の夢への進路を失っており、シエラレオネにおける男女の教育格差は大きな社会問題となっている。
■性教育プログラム「ハズバンドスクール」を開校
現在、NPO法人アラジで行っている奨学給費支援は、そうした女子が再び学校に通うことができるための支援となっている。今回、根本的な解決策として望まれない若年妊娠そのものを減らす事を目的に、男性側が正しい性知識のもと、女性と接することができる意識改革の起点として、性教育プログラム「ハズバンドスクール」を開校した。
■身体の仕組みや女性の尊厳などの授業を実施
「ハズバンドスクール」では、事前のアンケートにより知識と意識のレベルを把握した上で、身体の仕組み、避妊具の正しい使用方法、女性の尊厳(権利・健康)、10の性的同意パターン、性加害を起こした場合の具体的な刑罰、性暴力を受けた場合の適切な連絡機関や、治療・アフターケア・訴訟のサイクルなどについて専用のテキストを元に授業を行う。
■生徒にコンドームを配布し、正しい装着方法を伝える
授業の最後には、コンドームを一つずつ配布し、正しい装着方法についても学ぶ。現在、この取組においてケネマ県にある中学校、高校の100校での開校を目指している。
<マンスリーファンディング キャンペーン>
NPO法人アラジは「中高生男子性教育プログラム ハズバンドスクール」を含む4つの事業において、安定的な活動継続と更なる拡大を目的に、マンスリーファンディング「SDGsすべての目標達成に貢献する『教育』支援を諦めない、100人のマンスリーサポーターを募集します!」を2022年1月20日(木)まで実施する。
マンスリーファンディングのキャンペーンページ