東京都足立区立千寿本町小学校で、日本の海の現状について落語やクイズを通じて学ぶ出前授業が12月7日(火)に行われた。この出前授業は日本財団「海と日本PROJECT」の一環として、海の落語プロジェクト実行委員会が実施したもので、千寿本町小の4年生約60人が参加した。
■三遊亭朝橘氏が海落語を披露
出張授業は環境専門家でWMO公認の気候キャスターである井手迫義和氏と気象予報士の駒形陽子氏の進行により進められた。はじめに三遊亭朝橘氏による創作の海落語が子供たちに披露された。
■2050年の未来の海を笑いにしながら語る
今回、披露された海落語は、2050年の未来の海を展示した水族館にデートで訪れたカップルの物語。地球温暖化により北極の氷が無くなり、陸地も狭くなったことをリアルに再現する未来の水族館。ゴミだらけになった未来の海に振り回される2人を演じる朝橘氏の落語に児童は笑いながらも、ゴミを減らすよう努力しないと自分たちが大人になった時、大変なことになると実感した。
■ココリコの田中さんが海の生き物に関するクイズを出題
続いてスペシャルゲストとして、海の生き物に詳しいココリコの田中直樹さんが登壇。井手迫氏や駒形氏ともに、海の生き物に関するクイズを繰り広げた。「浦島太郎に出てくるカメはオスかメスか」という問題は「メス」が正解。その理由として、海亀が上陸するのは卵を産卵する時だけなのでメスと思われると解説。さらに、本州で卵を産んでいるためアカウミガメと考えられると説明した。
■大量の赤ちゃんを産むジンベイザメに驚きの声が
第2問目は最も大きな魚である「ジンベイザメは一度に何匹ぐらいの赤ちゃんを産むか」というもの。児童からは「3~4匹」「50匹」「100匹」などの声があがるが、正解が「300匹」と告げられると、予想外の多さに驚きの声があがった。これまでジンベイザメが赤ちゃんを産むところは誰も見たことがないが、亡くなったジンベイザメの母親を解剖した際に、体内に約300匹の赤ちゃんがいたことから判明したという。
■ゴミを減らして日本の海をきれいにすることを誓う
その後、環境専門家の井手迫氏から、海にあるゴミの8割は街で捨てられたものであることを聞き、自分たちにとって馴染み深い荒川の河口がゴミであふれている写真を見た児童は、これから少しでもゴミを減らして、海をきれいにしていくことを心に誓い、出前授業は終了した
<ココリコ 田中直樹氏 コメント>
子供の頃から海の生き物は好きでしたが、大人になってから番組のロケで様々な専門家から話を聞くことで、より惹かれるようになりました。子供たちには自分なりのやり方で、海をきれいにする方法を考えて、持続可能な社会につなげてもらえればと思います。