兵庫県伊丹市は職員約1500人の情報共有基盤として、サイボウズのクラウド版「 Garoon(ガルーン)」と「kintone(キントーン)」を導入した。クラウド版 Garoonとkintoneの同時導入は、オンプレミス型が主流である自治体では先駆的な事例となる。
■働き方改革や業務の効率化を全庁で推進
伊丹市では2022年に新庁舎の開庁を予定。国のデジタル化に先駆け、2021年に「超勤レス」「ペーパーレス」「キャッシュレス」の3つを柱とした「Smart Itami 宣言」を行い、働き方改革、業務の効率化を全庁で推進している。
■長年利用したグループウェアのリプレースが課題に
また、新型コロナウイルス感染症対策に適した生活様式に対応するため、新しい情報共有基盤の必要性が高まる一方、20年利用したグループウェアのリプレースが課題となっていた。
■Garoonの導入により事務の効率化を図る
こうした課題を解決するため伊丹市は、職員が自発的に業務改善に取り組むことができ、働き方改革も実現できる情報共有基盤としてクラウド版 Garoonとkintoneを導入。グループウェア機能はGaroonを活用し、「スケジュール」と「施設・備品予約」との連携により事務の効率化が図られたことや、「スペース」の活用により会議が削減された。
■年間約18,000枚分の紙出力を削減
また、これまで紙で行っていた庁内の申請・承認手続きを「ワークフロー」で実現することで、年間約18,000枚分の紙出力が削減される予定。さらに、これまで冊子で配布していた予算、決算、行政計画などを「ファイル管理」で共有することで年間約410,000枚分の紙が削減され、過去の資料もファイル約2,000冊分を廃棄できた。
■「Smart Itami 宣言」の目標達成につながる
これにより印刷費用は年間約100万円削減され、ペーパーレスが促進されるなど「Smart Itami 宣言」の目標達成に向けて効果を発揮。加えて、資料が電子化されたことにより場所にとらわれない働き方が可能となり、テレワークを促進するとともに、感染症対策にも繋がった。
■kintone導入で市民との交流もシステム化
一方、kintoneは外部連携サービスを活用することで、市民や事業者との交流もシステム化が進んでいる。例えば「市民の声システム」では市民からの質問の受付、回答の作成、承認までをkintoneで完結し、市民へのスムーズな情報提供を実現する。
■紙で行っていた作業をkintoneアプリ上で実現
また「建築予定地に関する調査依頼書合議システム」では、これまで紙で行なっていた各課の承認作業をkintoneアプリ上で実現し業務効率化に繋がった。今後も現場が主体となってデジタル化を進めるためkintoneの活用を全庁的に進めていく予定。
<伊丹市 藤原市長コメント>
人口減少・少子高齢化が進展する中、「住みたいまち」「住み続けたいまち」であり続けるためには、デジタル技術を積極的に活用して「Smart Itami」の取り組みを着実に進め、市民サービスの充実や市役所全体の生産性向上を図る必要がある。その取組の核となる、職員間や市民をつなぐ情報共有基盤としての役割を、サイボウズ社のグループウェアが果たしており、更なる機能拡張に期待している。
<Garoonとは>
製品サイト:https://garoon.cybozu.co.jp/
サイボウズが提供する、国内外6,200社290万人に導入されている中堅・大規模組織向けグループウェア。数万人規模でも安心して利用できる高いスケーラビリティと使いやすさを両立。部門や拠点間の垣根を超えたコミュニケーションを促進し、チームの力を最大限に引き出す。多言語・タイムゾーン対応で企業の国際化を強力にサポートする。
<kintoneとは>
製品サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
サイボウズが提供する、業務アプリ開発プラットフォーム。営業の案件管理、顧客からの問い合わせ履歴やクレーム対応の管理、プロジェクトの進捗やタスク管理、従業員の業務日報など、顧客の用途に合わせた業務アプリの作成が可能。アプリケーションはノンプログラミングで開発できる。また、社内SNSのようなコミュニケーション機能を活用することでスピーディな情報共有が可能になり、業務効率化を実現する。