文部科学省は2022年度からの高等学校での新学習指導要領の実施に向けて、高等学校教諭免許状「情報」保有者の計画的な採用を実施するよう各都道府県・指定都市教育委員会の教員人事担当者に発出した。
■共通必履修科目「情報Ⅰ」新設で求められる指導体制の充実
高等学校の各学科に情報科については、2022年度より指導内容をより充実させた共通必履修科目「情報Ⅰ」が新設され、これまで以上に指導体制の充実が求められる。 また、2024年度に実施される「2025年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト」から「情報Ⅰ」を出題することが2021年7月に決定した。
■情報活用能力を身に付けた生徒の入学で求められる専門性の向上
加えて、GIGAスクール構想によりICT環境整備が進み、2022年度においては中学校で1人1台端末環境を活用して情報活用能力を身に付けた生徒が高等学校に入学してくることになる。それを踏まえ、共通教科「情報科」の専門性の向上が急務となっている。
■高等学校教諭普通免許状「情報」を保有しながら情報化を担当していない現状
一方、2020年度に文科省が実施した調査では、高等学校教諭普通免許状「情報」を保有しているが、情報科を担当していない教員が多く存在(約6000人)している。また、高等学校教諭臨時免許状(情報)の授与を受けたり、免許外教科担任の許可を受けたりした上で情報科を担当している教員が多く存在(約1200人)している実態がある。
■教員採用に求めることなどを通知
こうした状況を踏まえ、各都道府県・指定都市教育委員会では、3月23日に通知した「高等学校情報科担当教員の専門性向上及び採用・配置の促進について(通知)」の趣旨を踏まえた上で、2022年度からの新学習指導要領の円滑な実施に向けて以下の3点の実施を求めている。
①今後の高等学校教諭免許状「情報」保有者の計画的な採用の実施
②「臨時免許状の授与や免許外教科担任の許可を受けた教員」が担当している授業を
「高等学校教諭普通免許状『情報』を保有しているが、情報科を担当していない教員」
が担当できるよう配置の工夫
③現職教員の同免許状取得の促進
■「高等学校情報科に関する特設ページ」で研修用教材等のコンテンツを公開
共通教科「情報科」の指導の充実等に向けて、文部科学省のWebサイトに「高等学校情報科に関する特設ページ」を設け、研修用教材等のコンテンツを一元化して公開している。
令和4年度からの新高等学校学習指導要領の着実な実施に向けた高等学校情報科担当教員の採用・配置の促進、専門性の向上について