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障がいのある子供、世界に約2億4000万人と推定~ユニセフ調査

2021年11月14日

ユニセフは、障がいのある子どもに関する調査報告書を11月10日(木)に発表した。それによると世界の障がいのある子供の数は約2億4000万人と推定される。障がいのある子供の幸福度は、ほとんどの指標において、障がいのない子供たちと比較して不利な状況にある。

生まれつき両腕がないオマールくん(15歳)は、貧困家庭に生まれ、母親と3人で暮らしている。ユニセフの支援で、職業訓練を受けている。(バングラデシュ、2021年10月27日撮影) © UNICEF_UN0547561_Mawa


■子供の幸福度に関する80以上の指標を網羅

本報告書には、国際的に比較可能な42か国のデータが含まれている。栄養や健康、水や衛生設備の利用、暴力や搾取からの保護、教育など、子供の幸福度に関する60以上の指標が網羅されている。

 


■機能障がいの種類など細かく集計

これらは、機能障がいの種類と重症度、子供の性別、経済状況、国別に集計。障がいのある子供たちが社会に十分に参加するために立ち向かわなければならない障壁と、それがどのように健康面や社会面において不利な結果につながるのかが明確に示されている。

 


<障がいのある子供たちの状況は、障がいのない子供たちと比較して以下の通り>

・幼いころから十分な刺激のある、個人として尊重されたケアを受けることができる

可能性は24%低い。

・基本的な読解力や計算力を身に着けることができる可能性は42%低い。

・消耗症になる可能性は25%、発育阻害になる可能性は34%高い。

・急性呼吸器疾患に苦しむ可能性は53%高い。

・学校に全く通うことができない可能性は49%高い。

・小学校は47%、中学校は33%、高校は27%、それぞれ通えない可能性が高い。

・不幸だと感じる可能性は51%高い。

・差別されていると感じる可能性は41%高い。

・厳しい体罰を受ける可能性は32%高い。


<ユニセフ事務局長 ヘンリエッタ・フォア氏 コメント>

「この調査結果は、私たちがすでに知っていたことの裏付けとなる。障がいのある子供たちは、彼らの権利を実現する上で、いくつもの複合的な課題に直面することが多い。教育へのアクセスから家庭での読み聞かせに至るまで、障がいのある子供たちは、ほとんどすべての機会が少なく、あまりにも多くの場面で、彼らはただただ取り残されている」

 


■住んでいる場所により結果が左右される

障がいのある子供たちの経験は非常に多岐に渡る。この分析は子供たちが直面するリスクや結果は、障がいの種類、どこに住んでいるか、どんなサービスを利用できるのかによって、左右されることを示している。また、不公平さに対処するための的を絞った解決策を考えることの重要性を強調している。

極北部にあるモラの小学校で、インクルーシブ教育プログラムに参加する10歳のムスタファくん(カメルーン、2021年3月撮影) © UNICEF_UN0427153_Dejongh

 


■障がいにより教育を受けることができない多くの子供たち

教育へのアクセスは、本報告書で調査された分野のうちの一つとなる。教育の重要性は広く認識されているにも関わらず、障がいのある子供たちは未だに取り残されている。コミュニケーションを取ることが難しかったり、自分自身をケアできない子供は、いずれの教育レベルにおいても、学校に通うことができない可能性が最も高い。複数の障がいがある場合、学校に通っていない割合はさらに増え、障がいの重症度を考慮すると、その差はより大きくなる。

 


<ユニセフでインクルーシブ教育のユース・アドボケイト(提唱者)を務めるマリア・アレクサンドロワさん コメント>

「インクルーシブ教育は贅沢なものではない。あまりにも長い間、障がいのある子供たちは社会から排除されてきたが、それは決してあってはならない。障がいのある女性としての私の生きた経験が、この言葉を裏付けている。最も厳しい状況にある子供を含め、どんな子供たちも、基本的な人権のためにたった一人で戦うようなことはあってはならない。障がいのある子どもたちが、平等でインクルーシブな教育を確実に受けられるようにするために、各国政府や関係者、NGOの協力が必要となる」

 


■障がいのある子供たちの権利の実現を支援

ユニセフは世界各地でパートナーと協力して、障がいのある子供たちの権利の実現を支援している。障がいのある子供を含め、すべての子供たちは、彼らの生活に影響を与える問題について発言権を持ち、彼らの可能性を実現し、権利を主張する機会を与えられる必要がある。そこでユニセフは各国政府に以下のように呼びかけている。

 

・障がいのある子供たちに、平等な機会を提供する。各国政府は障がいのある人々と協力して、彼らを社会から切り離そうとしている物理的障壁、またコミュニケーションや態度における壁を取り除き、出生登録、包括的な健康、栄養、水のサービス、公平な教育、支援技術へのアクセスを確保しなければならない。また、コミュニティにおける偏見や差別をなくすことにも努めなければならない。

 

・包括的なサービスや公平で質の高い教育を提供する際には、障がいのある人々と協議し、子供たちとその家族の特定のニーズだけでなく、あらゆる種類の障がいについて考慮する。これには柔軟な対応ができるケアや家族に優しい政策、メンタルヘルスや心理社会的支援、虐待やネグレクトからの保護などが含まれる。

 


■社会へのインクルージョンを高めるために

今回の分析は世界の子供と若者の10人に1人に障がいがあると言われる中、意思決定において彼らが一人の人として認められ、相談、考慮される対象となるようにすることで、彼らの社会へのインクルージョンを高めることが目指される。

首都ベオグラードにある「夢の遊び場」で遊ぶ子どもたち。障がい関係なくすべての子どもが一緒に遊べるように設計されている。(セルビア、6月撮影) © UNICEF_UN0497057_Maccak


■最新の世界推計値を報告

障がいのある子供の数に関する新しい世界推計値は、以前の推計値よりも多くなっている。機能障がいの種類、不安や憂うつの症状を考慮しており、障がいに対してより有意義で包括的な理解に基づいたものになっている。

 

障がいのある子どもたち、教育を含むあらゆる場面で不利な状況、社会へのインクルージョン実現に向けて

日本ユニセフ協会

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