黒板・ホワイトボードメーカーの日学は、中高生対象の黒板アートの全国大会「日学・黒板アート甲子園®2021」の結果を発表した。メイン大会の最優秀賞は静岡県立浜松大平台高等学校が受賞した。
■通算7回目を迎えるコンテスト
「日学・黒板アート甲子園」は全国の中高生が2人以上で学校にある黒板にチョークで作品を描き、画像データを送るコンテスト。2015年に開催してから通算で7回目を迎える。
■応募作品総数227点の中から入賞作品が決定。
黒板の部 メイン大会、黒板の部 ジュニアの部、白板の部、動画の部の全4部門で、7月5日から10月11日まで募集が行われた。応募作品総数227点、参加学校総数118校、参加生徒総数2384人となる。
■過去最高の参加生徒数
今大会は当初の応募締切日直前に一部地域の学校でのコロナ感染拡大で作品制作ができないことが判明し、応募期間を約ひと月延長した。結果として、メイン大会(高校生)は、参加生徒数の過去最高数を大きく更新。またジュニアの部(中学生)は、応募作品数、参加校数、参加生徒数の全てにおいて最高記録を更新した。
<メイン大会 黒板アート高校生 最優秀賞>
学校名:静岡県立浜松大平台高等学校(静岡県)
チーム名・人数:大平台高校Aチーム・7人
作品名:冬の幾何学
【制作エピソード】
部活帰りの渡り廊下は肌を貫くような厳冬の風が吹く。私は制服のシャツで眼鏡のレンズを拭いながら、今日は星が綺麗だと思った。唐突に部活の仲間が星の散る夜空を指し、興奮した様子で声を上げた。私が眼鏡をかけると、そこには…
絵のモチーフとして皆で写真を撮りに行きました。部活の結束が強まりました。
【審査員長 武蔵野美術大学 三澤一実 教授 コメント】
メガネを掛けると友達の背中越しに一段とくっきり見える星。そして浮かび上がる星座の形。太古の昔から人間を引きつけてきた星空は現代を生きる高校生をも強く魅了するでしょう。そのとてつもなく広がる宇宙に指を指しながら、友達同士どんな言葉が語られているのでしょうか。かけがえのない青春の一場面を見事に描いています。黒板の黒い地を生かした夜空にきらめく星と天の川。チョークの粉を吹き付け表しているのでしょうか。また、校舎の壁や眼鏡のフレームなど、それぞれの質感を丁寧に描き分けています。レンズを通して見ているような風景の歪みと水平を斜めに傾け切り取った構図も素晴らしい。
<ジュニアの部(黒板アート中学生)最優秀賞>
学校名:熊谷市立富士見中学校(埼玉県)
チーム名・人数:1年齋藤組・4人
作品名:夜の静けさ
【制作エピソード】
みんなで、いろいろおしゃべりしながらの制作で、いっぱい笑い合い、いっそう仲良くなれました。
【審査員 チョークアーティスト 熊沢加奈子先生コメント】
背景のグラデーションと、木の部分はあえて塗り込みをせず黒板の地を活かして表現し、右側の池(湖?)に映り込む木々の描きこみも良かったです。タイトルどおり、静寂さを感じる仕上がりで、全体的なバランスも良いです。