熊本県大津町では学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化をアプリでサポートする「れんらくアプリ」を全町立小中学校で一斉導入した。
■新型コロナの流行で全校一斉導入に
大津町では、働き方改革の一環として大・中規模校でVISHの「れんらくアプリ」の導入を検討していた矢先、新型コロナウイルスが流行し、2020年5月より全町立小中学校で、「れんらくアプリ」の一斉導入に至った。
■欠席連絡のデジタル化が一気に進む
現在では、欠席連絡や配布物のデジタル化だけではなく、保護者の意見をすぐに集約することができるアンケート機能も活用。緊急時の臨時対応もスムーズに行われている。
■幼稚園・保育園での導入が教員の負担軽減に
VISHは大津町の「れんらくアプリ」の導入事例インタビューをWebサイトで公開。導入の決め手は、町立幼稚園・保育園での導入が、職員の負担軽減につながった点だったという。町立幼稚園・保育園では、朝の時間の電話対応が大幅に軽減。保護者が昼夜問わず欠席・遅刻の連絡をアプリ内で行うことができ、利便性が向上した。また、アンケート機能を活用することで、保護者の意見をすぐに集約することができる点も大きな決め手となった。
<「れんらくアプリ」の導入効果 インタビューより>
1.欠席の理由を把握できる
欠席が事前にわかるだけでなく、その理由を記入できる。担任は欠席理由を把握することで、児童生徒の状況がわかるので、欠席した次の日は、登校時に具体的な声かけを行うことができる。2021年度からはGIGAスクール構想によりタブレットが1人1台ずつ使用できるようになったので、担任は自分のクラスの欠席状況をリアルタイムで把握できる。
2.電話による保護者からの連絡が低減
これまで保護者から学校への連絡手段は連絡帳や電話だったが、メインは「れんらくアプリ」になり、電話連絡はほとんどなくなった。導入前は、本来は授業の準備をしたい時間帯に欠席連絡の電話を受けることがあったが、今では児童生徒に向き合う準備に充てられる。
3.アンケート機能で自然災害への対応も
2021年9月の台風14号の際、下校に関しては保護者の迎えを決めた。「れんらくアプリ」のアンケート機能を使い、保護者の対応を「開始時刻に迎え可能」「学童を利用」「開始時刻の迎え困難のため教室待機」の3つから選択してもらった。このアンケートを9月16日に発信し、17日朝に確認したところ、ほぼすべての保護者から返信があった。その内容を把握した上で、台風に伴う臨時的な対応を取ることができた。また、集計結果をCSVファイルで出力できるので、クラスごとの一覧を作成して担任へのフィードバックもできた。
4.児童生徒を介さず保護者に連絡
「れんらくアプリ」の機能を使って、お知らせを通知しているので、紙媒体はほとんどなくなった。重要なお知らせの場合、「れんらくアプリ」に加えて紙媒体も使うこともある。紙媒体は保護者が紛失することもあったが、「れんらくアプリ」なら過去のものも見返すことができる。
<小学校・中学校向けシステム「れんらくアプリ」>
「れんらくアプリ」はVISHが提供する、教育機関のICT化を支援するクラウドサービスの総称。アンケート、お便り、欠席・遅刻・早退連絡のデジタル化など、便利な機能を1施設あたり月額9000円からの価格で利用できる。2021年10月1日現在、1800以上の教育機関で導入されている。