菅公学生服は全国の小中高校の教員1800人を対象に、「ジェンダーレス制服」の導入背景に関する調査を実施。約6割の学校が「LGBTQ」の生徒・児童への制服を導入もしくは検討していることがわかった。
■ジェンダーレス制服を導入する動きが増加
近年、ファッション業界で「ジェンダーレス」という性別に関係なく着ることのできるファッションが注目されている。この流れは学校制服においても見られ、男女兼用のブレザータイプの制服や、今までスカートのみだった女子制服にスラックスを導入する動きが増加している。
■ジェンダーレス制服の広がっている背景などを調査
菅公学生服では「ジェンダーレス制服」がどのような背景で広がっているのか、全国の小中高校の教員を対象に、服装による「LGBTQ」の生徒・児童への配慮の現状や、学校での「LGBTQ」生徒・児童の把握状況、「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うスタイルについて調査を行った。
※「LGBTQ」とはレズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニング(Q)の性的少数派の中で代表的な5つの頭文字を取った総称
■6割の学校がLGBTQの生徒・児童の服装に配慮
「LGBTQ」の生徒・児童に対して服装の配慮をしているかを小中高校の教員1800人に調査したところ、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校で服装の配慮を導入もしくは検討中と回答している。一方、「服装による配慮はしていない」(40.3%)学校も約4割にのぼる。
■中学・高校では「LGBTQ」の把握率は約3割
小中高校における「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況については、小学校ではLGBTQの児童が「いる」(10.9%)だが、中学・高校では「いる」(中学校32.0%、高等学校31.1%、中高一貫教育校36.0%)が増えており、学校が把握しているLGBTQの生徒・児童の割合が高くなる。
■良いと思う配慮は「女子のスラックス制服の採用」がトップ
学校が考える「LGBTQ」の生徒・児童への服装の配慮として良いと思うものは、「女子のスラックス制服の採用」(50.1%)が最も多くなっている。次いで「スカート・スラックス・リボン・ネクタイなど男女関係なく自由に選べるようにする」(36.0%)、「男女共通デザインのブレザー制服の採用」(35.4%)と続く。
■『自分らしく』、誰もが心地よく着ることのできる制服を
「LGBTQ」の中でも、特にトランスジェンダーと呼ばれる自身の性別に違和を感じている生徒・児童は、服装に悩みを抱えていることが多く、「ジェンダーレス制服」の必要性は高まっている。今、学校制服は生徒・児童一人ひとりが『自分らしく』、誰もが心地よく着ることのできる制服が求められている。
<調査概要>
調査対象:全国の小中高校の教員1800人
調査方法:インターネットリサーチ
実施時期:2021年6月