つくば市教育委員会、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室、東京書籍、およびLentranceは、学習者用デジタル教科書から得られる学習履歴の活用による指導改善や評価への活用の実現に向けた実証研究を2021年10月より開始する。
■つくば市の小中学校12校で「Lentrance Analytics」を活用
本研究では、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也教授の監修の下、つくば市の公立小中学校計12校を対象に、Lentranceの「Lentrance Analytics」(先行開発版)を活用。児童生徒の学習者用デジタル教科書・教材や、教師から配信されたプリントの閲覧履歴や操作ログなどの学習履歴データの収集・可視化を実施する。
■学習者用デジタル教科書が児童生徒の意識に与える影響などを分析
これまでも、教科書や教材の閲覧履歴などの学習履歴データを分析し、指導改善や学習改善に活かしていく取組は行われていたが、それらに加えて学習者用デジタル教科書の活用が児童生徒の学習に対する意識に与える影響や、実際の授業の流れやねらい、授業中の教員の働きかけや児童生徒の活動の内容と照らして学習履歴データを分析する。
■学習者用デジタル教科書の効果的な活用法を探る
学習履歴データの分析結果から、教員の働きかけが児童生徒の活動に与える影響を定量的に把握。学習者用デジタル教科書の効果的な活用法や、学習履歴データを活用したフィードバックの在り方について研究を実施する。
<研究概要>
実証対象:つくば市立小学校7校、中学校5校 ※義務教育学校含む
実施期間:2021年10月~2022年3月末
※2022年度以降の継続については4者の協議により決定
実施機関:つくば市教育委員会、東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室、
東京書籍株式会社、株式会社Lentrance
実施概要:
・デジタル教科書の活用が児童生徒の学習に与える影響の検証
デジタル教科書の活用が、児童生徒の学力や学習に対する意識に与える影響を、学力
調査やアンケート調査、デジタル教科書の学習履歴データの3つの観点から分析。
・学習履歴データの活用による授業中の児童生徒の活動の可視化
1時間の授業をデジタル教科書の操作ログ、授業記録(映像)、教師の見取りによる
個々の児童生徒に対する評価の3つの観点から分析し、授業中の個々の児童生徒の
活動や教員の働きかけが児童生徒の活動に与える影響を分析する。
・学習履歴データの活用を前提とした技術仕様や分析手法の検討
将来的に、教科や会社の垣根を超えた学習履歴データの活用が進むことを念頭に置いた
効果的なデータの収集・分析の手法や技術仕様の検討を行う。
<実証研究における各研究機関の取組>
【つくば市教育委員会】
実証校の選定と、実証校による各種学力調査・アンケート調査の実施、実証単元の
指導案の作成などを行う。
【東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也研究室】
調査設計や取得すべき学習履歴データ項目についてのガイダンス、分析結果に対する
検証を行う。
【東京書籍】
学習者用デジタル教科書・教材データの提供と、取得した学習履歴データの整理・分析
を行う。
【Lentrance】
デジタル教科書・教材の配信プラットフォームとして「Lentrance」を、学習履歴
データの分析基盤として「Lentrance Analytics」(先行開発版)を提供。また、データ
の収集・可視化に関する技術仕様の検討も行う。
<実証研究で使用する製品/サービス>
・東京書籍 学習者用デジタル教科書、学習者用デジタル教材(教科書+教材一体型)
小学校:国語(1~6年)社会(4~6年)保健(3~6年)
中学校:英語(1~3年)技術・家庭(技術分野)
・学習用ICTプラットフォーム「Lentrance」
・学習履歴データ分析基盤「Lentrance Analytics」(先行開発版)