徳島県阿南市の阿南工業高等専門学校は、同校や豊橋技術科学大学、岡山県立大学、熊本高等専門学校の学生らが、木造の応急仮設住宅建設を目指した調査や研究活動の成果をまとめた「木の仮設住宅シンポジウム」を11月7日(日)にオンラインで開催する。
■地震発生時に被災者の生活再建の基盤となる木造の仮設住宅
南海地震等の大規模な災害により徳島県内でも多くの人が被災し、住宅を失うことが予測される。その際、「応急仮設住宅」は被災者の生活再建の基盤となるだけでなく「木造」の仮設住宅は、地域の林業や建設業等の雇用等の回復にも寄与するものとなる。
■仮設住宅が抱える課題を高専生らが調べて発表
しかし、現実的には課題も多く、各団体の準備状況や連携も十分とは言えない状況にある。こうした課題に対して、災害時に「木造」の応急仮設住宅を建築するために、応急仮設住宅に関わる産・官・学・福祉等の関係者が抱える課題を高専生らが調査・整理。解決策を検討する場として「木の仮設住宅シンポジウム」をオンラインで開催する。
<木の仮設住宅シンポジウム 概要>
開催日時:2021年11月7日(日) 13:00~16:30
場所:オンライン開催
参加費:無料(事前申込み制)
定員:30人
申し込み方法:以下の専用フォームから申し込む
申込期限:2021年10月30日(土)まで
<プログラム>
①「木の仮設住宅」建設の準備状況と課題
大学生・高専生が調査した木造仮設住宅の建設に係る行政や関係団体の準備状況と課題とを整理し、発表する。
1.徳島県阿南市の被災想定と各機関の災害対応
富永眞ノ介(阿南工業高等専門学校 創造技術工学科3年)
2.徳島県における木造仮設住宅供給の準備態勢
中川颯太・林聖人(阿南工業高等専門学校 創造技術工学科5年)
3.熊本県における木造仮設住宅供給の事例紹介
森重孝太郎(熊本高等専門学校 専攻科生産システム工学専攻2年)
4.岡山県総社市における木造仮設住宅(板倉工法)供給の事例紹介
小林弘樹(岡山県立大学 大学院デザイン学研究科 デザイン工学専攻1年)
②高専生が建設した木造仮設住宅の見学会
阿南高専生が建設した木造仮設住宅をオンラインで見学する。
③応急仮設住宅配置計画ゲーム(徳島版・熊本版):
阿南高専 多田研究室/熊本高専 勝野研究室
応急仮設住宅の建設にあたり、当初に行う配置計画が工期短縮や運用時の被災者同士のコミュニティづくりにも大きく影響を及ぼす。この配置計画をより効率的に計画の質を向上して行えるように事前訓練のためのゲームをオンラインで実施する。
④「木の仮設」住宅建設に向けた講評・意見交換
地域の工務店が木造応急仮設住宅を建設するために、どのように課題を乗り越えていくべきか、当日の学生の発表等を受けて講評や意見を伺う。
【講評者】
熊本高等専門学校 准教授 勝野幸司氏
豊橋技術科学大学 准教授 水谷晃啓氏
豊橋技術科学大学 講師 小野悠氏
岡山県立大学 助教 畠和宏氏
阿南工業高等専門学校 准教授 加藤研二氏
阿南工業高等専門学校 准教授 多田豊氏