令和3年度「全国学力・学習状況調査」の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会が10月1日(金)、オンラインで開催され、発表資料が国立教育政策研究所のWebサイトに掲載された。
■算数・数学部会と国語部会から説明
令和3年度 全国学力・学習状況調査の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会は、10月1日午前9時50分から午後3時45分までオンラインで行われた。文部科学省総合教育政策局調査企画課学力調査室長の浅原寛子氏と国立教育政策研究所教育課程研究センター長の鈴木敏之氏のあいさつ・全体説明に続き、算数・数学部会と国語部会から、それぞれ説明があった。
■国語と算数・数学の教科調査に加え質問紙調査を実施
令和3年度 全国学力・学習状況調査は2021年5月27日(木)に行われ、小学校6年生と中学3年生を対象に、国語と算数・数学の教科調査に加え、質問紙調査を実施。また、学校に対しても質問紙調査が行われた。調査対象児童生徒数は小学校が1,060,371人、中学校が1,092,580人。
■新型コロナの影響で調査を1か月後ろ倒しにして実施
新型コロナウイルス感染症の影響により、調査日を例年より約1か月後ろ倒しするとともに、後日実施の期間を5月28日から6月30日にするなど、約1か月間に延長した。後日実施校は小学校103校、中学校184校。なお、後日実施の場合、採点および調査結果の提供は行うが、全体集計からは除外される。
■オンラインによる回答を試行的に実施
また、一部の国立大学附属学校(小学校51校4314人、中学校57校7035人)において、児童生徒質問紙調査を、PCやタブレット端末などを用いたオンラインによる回答方式が試行的に実施された。
■国語や算数・数学の良かった点や課題などを公開
今回、公表されたのは令和3年度全国学力・学習状況調査の結果(概要)と、小学校国語、小学校算数、中学校国語、中学校数学の各教科について、調査を通じて明らかになった点や今後の指導のあり方など。あわせて授業アイデア例なども公開された。
■平均正答率は小学校は前回より上昇、中学校は下降の傾向に
平均正答数ならびに平均正答率は、小学校国語が9.1/14問(64.9%)、小学校算数が11.3/16問(70.3%)、中学校国語が9.1/14問(64.9%)、中学校数学が9.2/16問(57.5%)。令和元年度の前回調査と比べて、小学校は国語・算数ともに平均正答率が上昇しているのに対し、中学校は国語・数学ともに平均正答率が下降している。特に中学校の国語は8.3%の低下が見られた。
■中学校国語は敬語の使い方に課題が見られる
中学校国語では、文章に表れているものの見方や考え方を捉え、自分の考えをもつことに課題が見られる。また、過年度の小学校調査において見られた課題に関連した出題において、相手や場に応じて敬語を適切に使うことに課題がある。