10 月 10 日・11 日の「デジタルの日」に賛同する日本マイクロソフトは、デジタルイベント「Microsoft Japan Digital Days」を10月11日から14日まで開催。その幕開けを飾る10月11日の「Days ZERO」では、9月1日に設置されたデジタル庁において、初代デジタル大臣をつとめた平井卓也議員がオープニング講演を行った。
■デジタル庁発足で変わる日本の行政
2020年、デジタル改革担当大臣に就任した平井氏はデジタル庁の設置に向け、制度設計の段階から取り組んできた。9月1日にはデジタル庁も発足し、日本は行政のIT化やDXの推進に向けて大きく動き出した。平井氏からは「今後、デジタル庁が社会全体のデジタル化を実現するには、多くの人の協力が必用」とデジタル庁の推進に向けて協力を求める言葉が述べられた。
■新型コロナの対応により加速するデジタル化の流れ
平井氏はデジタル庁発足までの流れを振り返り、「新型コロナのパンデミックへの対応がデジタル庁創設までの流れを速めたと言える。また、世界を見渡してみてもイノベーションが、かつてない速さで進み、大きな変化が巻き起こっている」と語る。
■祝祭を国民と共有するため「デジタルの日」を制定
そのように社会が急激な変化を起こしている時、「デジタルの日」を制定した理由について「デジタル社会形成基本法を策定するにあたり、ワーキンググループが設立された。そのメンバーである落合陽一氏の『デジタルには祝祭が必用。その祝祭を国民と共有することが大事』という提案を受けて誕生した」とする。
■デジタルの日を浸透させるためロゴマークを策定
「デジタルの日のロゴの作成にあたっては、2ちゃんねる創設者である西村博之氏のデザイナーを公募するという発案を受けて投票を行ったところ、耳の聴こえないグラフィックデザイナーとして活躍する岩田直樹氏が1位に選ばれた。今後、岩田氏はアドバイザーとして協力していただくことになる」
■誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化に向けて
「決定したロゴマークは3本の線で描かれた四角形。これはデジタルの日のねらいである定期的にデジタルについて『振り返り』『体験し』『見直す』を表している。この思いのもとに、誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化を実現していく」
■遅れを取っている日本のデジタル化を一気に加速
「日本のデジタル競争力は、世界で27位、アジアでも9位で低迷している。一方、インフラや企業や人材などのポテンシャルは高いものがあり、それを『デジタルの日』で盛り上げることで一気に前に進めていきたい」
■高齢者や親子など様々なデジタル体験を
今回のデジタルの日のテーマは『#デジタルを贈ろう』。これに対して平井氏は「これまでデジタル機器を扱ったことがない高齢者にタブレット端末をプレゼントしたり、GIGAスクール構想で1人1台の端末が導入されたが、親子でプログラミングを体験するなど様々な展開が考えられる」と語る。
■デジタルの日が大きなムーブメントになることを期待
「デジタル化により生産性を高めるため、日本中でアクションを起こすことが重要となる。そうした意味で『デジタルの日』が毎年制定されることは、日本のデジタル化の進捗状況をしっかり見極め、国民にしっかりとメッセージを発信し、共に考え課題を抽出して、それを解決するという大きなムーブメントになるのでは」と平井氏は期待を寄せる。
■国民目線でのサービス改革を実現
デジタル庁も官民合わせて600人の体制でスタート。これから年末の新重点計画の策定に向けて検討を加速化していく。「デジタル社会構想会議のメンバーをはじめ多くのデジタル関連の有識者や企業の意見を聞きながら、徹底した国民目線でのサービス改革の実現につなげていきたい。デジタル庁は従来の監督官庁のようなものではなく、皆さんの仲間と思ってもらい、気軽に相談してほしい。我々も情報共有をする中で、あらゆるものに対して協力をしていきたい」と支援と理解を求めた。
Microsoft Japan Digital Days Day ZERO