国立音楽大学はデジタル楽譜サービス「Henle Library Campus Edition」を日本の大学で初めて導入した。本サービスの導入は、アメリカのジュリアード音楽院、イギリスの王立音楽院世界図書館など世界に名だたる音楽大学に続く導入となる。
■タブレット上で楽譜を無料で利用可能
ヘンレ社が運営する「Henle Library」を図書館が機関契約することで、学生や教員がタブレット上で楽譜を無料で利用できる。また、様々な機能を活用して、オンラインでのレッスンや情報共有、キャンパス外での学修、楽譜への書き込みによる学修成果の蓄積や振り返りなどの効果が期待できる。
■コロナ禍によりオンラインを含む学外での学修サポートを実施
国立音楽大学ではコロナ禍に伴い、2020年5月7日より図書館資料の宅配貸出を実施。この制度は、本学の在学生や教員を対象に、授業に必要な図書や楽譜を宅配便にて送付するもので、学生への貸出は大学負担により行われる。このようなオンラインを含む学外での学修サポートはその役割の重要度を増している。
■自宅からでも附属図書館のサービスを利用可能
国立音楽大学の附属図書館は、楽譜15万点、図書15万点を含む約40万点を所蔵。一方、オンラインデータベースや楽曲・映像配信サービスとも契約を結び、館内あるいは自宅からもアクセスできる環境を整えてきた。今回の「Henle Library」の導入は、これまでの図書館サービスのさまざまな積み重ねのうえに成り立っている。
■オンラインレッスンや学生同士のグループ学修でも学習効果を高める
デジタル楽譜アプリ「Henle Library」は、その役割をオンライン上に移し、これまでの紙の楽譜と同様、前書きや校訂報告書はそのままに、複数の運指の可能性の表示、メトロノーム機能等に加え、書き込んだ情報をグループでシェアするなど、オンラインレッスンや学生同士のグループ学修等においても学修効果を高めることが期待される。
■学生や教員に幅広い選択肢を提供
まずはピアノを専門とする教員・学生で運用を開始。その後、効果を検証し、全学での利用も視野に入れる。国立音楽大学では、図書館創設時から受け継がれてきた図書・楽譜・雑誌などの紙の資料と、オンラインデータベースや新たなメディアを併用しながら、学生・教員に幅広い選択肢を提供する。